【フィリーズ7-1ツインズ】ダイアーズビル/フィールドオブドリームス、8月13日(日本時間8月14日)
この日の第3回「MLB at Field of Dreams Game」。その見どころは試合開始よりはるか前から始まり、試合中も続いた。
映画『フィールド・オブ・ドリームス』の数々のオマージュや、地元コミュニティで開催したイベント、そしてカイル・シュワーバーの躍動まで、特別な一戦の名場面を振り返る。
”シュワーボム”がトウモロコシ畑へ
トウモロコシ畑へ飛び込む打球を待ち望んでいたファンは長く待つ必要はなかった。この日の3球目、ツインズ先発タージ・ブラッドリーの投球をシュワーバーは右翼フェンスの向こうへ運んだ。メジャートップとなる今季36号だった。
シュワーバーにとって通算47本目の先頭打者本塁打となり、カーティス・グランダーソンと並んでメジャー通算7位に浮上。元フィリーズの遊撃手ジミー・ロリンズを抜いた。
ただし、シュワーバーが通算で放った376本塁打のうち、トウモロコシ畑に着弾したものはこれが初めてだった。
しかし、これが最後ではなかった。3イニング後、ダイアーズビルの強風の中で再び打球をフェンスの向こうへと運んだ。ツインズの右翼手ルーク・キーシャルはフェンス際まで追い、グラブに当てたものの捕球できず、打球は木製フェンスの向こう側にあるトウモロコシ畑へ落ちた。
レジェンドが彩った豪華な試合前セレモニー
圧巻の試合前セレモニーでは、『フィールド・オブ・ドリームス』を象徴する名場面へのオマージュとして、26人の殿堂入り選手が右翼のトウモロコシ畑から姿を現した。まず両チームの選手がフィールドに入場し、その後、シュワーバーとツインズのスーパースター、バイロン・バクストンが生ける伝説たちを紹介した。
1試合に集まった殿堂入り選手の人数としては、2008年のオールスターゲーム以来最多とみられる。このときは49人の殿堂入り選手が、歴史ある旧ヤンキースタジアムで最後に開催された「真夏の祭典」を見届けた。
ハーパーのコーンバット
ブライス・ハーパーがこの一戦のために特別な”何か”を用意していることは予想できたが、まさか全身トウモロコシになると思う人は少なかっただろう。トウモロコシを模したアームスリーブとスパイクに加え、トウモロコシの穂のような外観に仕上げた、自身のイニシャル入りの特注バットで注目を集めた。
一方、チームメートのブライソン・ストットは、映画をより直接的に表現した。タグ・マグロウ、ロイ・ハラデイ、ダレン・ドールトン、ロビン・ロバーツ、リッチー・アシュバーン、ハリー・ケイラスという今は亡きフィリーズの象徴的な面々が、トウモロコシ畑から歩いて現れる姿を描いた特注スパイクを着用した。
レジェンドたちと現役選手たちの交流
球界の名選手たちは、トウモロコシ畑から現れただけではない。会場の至るところにいた。打撃練習中、ケージのすぐ外では輪ができ、正真正銘のレジェンドたちが思い出を語り合うなか、現役選手も次々と顔を出した。輪の中心はアルバート・プホルス、バリー・ボンズ、トリー・ハンターら錚々たる顔ぶれで、選手たちが代わる代わる立ち寄り、しばし語らいに加わった。
その機会を特に楽しんだ一人が、ロイス・ルイスだ。
「それだけで最高の一日になった。もう残りの時間は何もしなくてもいいくらい、その時点で十分だった。『うわあ、この球場を実際に見られた』と思った。本当に美しかった。ここへ実際に来ると、感じ方がまったく違う。トウモロコシ畑があって、もちろんその中を歩いて出てきて、さらにアルバート・プホルスとバリー・ボンズに会えた。そこでトリー・ハンターとも話すことができた。自分にとって夢のような時間だった」とルイスは語った。
クレメンスからクレメンスへ
ツインズの内野手コディ・クレメンスは試合に出場したが、この夜最大のハイライトは試合後に待っていた。父で伝説的投手のロジャー・クレメンスが往年のレッドソックスのユニホームをまとい、コディとともにフィールドへ出てキャッチボールをした。
「すべて父のアイデアだった。ケビン・コスナーとお父さんが登場する映画の場面を再現したかったらしい。僕も大賛成だった。最高に面白かったよ。周りには大勢のファンが歩いていたけど、僕たちはその間を通り抜けて、いきなり撮影を始めた。みんな『何が始まったんだ?』という感じだった」とコディは語った。
がん患者に特別なサプライズ
フィールド・オブ・ドリームス・ゲームに関連する催しは、ダイアーズビルだけにとどまらなかった。少し離れたデュビュークでも、試合前に特別なひとときが設けられた。ロブ・マンフレッド・コミッショナー、殿堂入り選手のジョー・トーリとジム・トーミ、長年メジャーでプレーしたジェレミー・ガスリーが、マーシーワン・デュビュークがんセンターを訪れ、患者や医師、職員と交流した。
交流や記念撮影を終えると、5人の患者にサプライズとして、この日の試合を観戦できるチケットが、一人ひとりに贈られた。
球場グルメなくして試合は始まらない
MLBはアラマークと協力し、「フィールド・オブ・ドリームス」をテーマにした特別メニューを考案した。米中西部で親しまれている料理に加え、フィラデルフィアとミネアポリスのそれぞれの地元グルメも取りそろえた。
なかでも目を引いたのは、スイートコーンのレリッシュとコーンベーコンジャムを添えた「ヘブン・オン・ア・ホットドッグ」だった。そのほか、ローストポークサンドイッチ、フィリーチーズステーキ、ミネソタ名物のジューシールーシーバーガーも提供された。
もちろん、それだけではない。球場内ではブラートヴルスト、ナチョス、チーズカード、アメリカンドッグなど、定番の球場グルメも各所で楽しむことができた。
ボランティアが地域へ恩返し
「MLB Together」とジョンディアの従業員は前日、リバーベンド・フードバンクに集まり、アイオワ州東部の家庭を支援する食料や物資の梱包作業に協力した。同地域では、子どもの7人に1人が必要な支援物資を得られていない。
「これは地域の人々が地域のために行う活動だからこそ、重要だ。この地域で暮らし、働く一人ひとりが、支援を必要とする人々のために少しでも恩返しができると知っているし、そのことには非常に大きな意味がある」と、社会的責任部門のシニアバイスプレジデントを務めるエイプリル・ブラウンは語った。

