先月、ア・リーグ中地区優勝を争ったガーディアンズとホワイトソックスには、もう一つ大きな意味があった。地区優勝チームにはポストシーズン1回戦免除が与えられ、ア・リーグ地区シリーズに向けて希望する先発ローテーションを組める利点もあった。
そして今、クリーブランドとシカゴがポストシーズンで初めて対戦する。
ア・リーグ中地区王者のガーディアンズは今週、1回戦免除で休養を取りながら、地区シリーズ最初の2試合に主力先発を配置する準備を進めた。第1戦は3日(日本時間4日)、プログレッシブフィールドで行われる。一方、ホワイトソックスは9月30日(同10月1日)、3回戦制のア・リーグ・ワイルドカードシリーズでアストロズに2連勝し、地区シリーズ進出を決めたばかりだ。
ワイルドカードシリーズを戦った直後だけに、シカゴの投手起用はまだ固まっていない。クリーブランドにも不確定な部分が残る。両チームの先発投手は、どんな組み合わせになるのか。確認してみよう。
ガーディアンズ
第1戦
パーカー・メシック(25)=左投手
メシックは、この1年で大きく飛躍した。昨季終盤にメジャーデビューして7試合に先発したものの、2025年のア・リーグ、ワイルドカードシリーズではガーディアンズのメンバーに入らなかった。
今春は開幕ロースター入りを自らの力で勝ち取る立場だった。それから約半年。10月の頂点を目指すガーディアンズは今、地区シリーズの初戦をメシックに託す。
メシックは新人ながら素晴らしいシーズンを送り、ア・リーグのサイ・ヤング賞と新人王の両方で最終候補に入る可能性がある。32試合に先発して186回1/3を投げ、防御率2.56はメジャー7位。193三振、49四球の好成績だった。
ホワイトソックス戦との相性も良く、4試合の先発で25回2/3を投げ、防御率2.81、29三振、5四球。地区シリーズ初戦へ向けても好材料となる。
第2戦
ギャビン・ウィリアムズ(27)=右投手
圧倒的な球威を持つ投手を楽しみたいなら、第2戦は注目の一戦だ。ウィリアムズは今季、32試合に先発して184回1/3を投げ、いずれも自己最多。248三振を記録し、ジェイコブ・ミジオロウスキー(24)の252三振に次ぐメジャー2位だった。2桁三振はメジャー最多の11試合を数えた。
その11試合にホワイトソックス戦は含まれなかったものの、今季の対戦では4試合に先発。20回1/3で防御率3.98、28三振、8四球だった。
第2戦を任されることで、シリーズが第5戦までもつれた場合は中4日でクリーブランドの本拠地に再登板できる。一方、メシックはシカゴで行われる第4戦に登板できる日程となる。
ウィリアムズは今季、本拠地18先発で防御率2.84、敵地14先発では防御率5.05だった。
第3戦
未定、ダニエル・エスピノ(25)がオープナー候補
ガーディアンズは第3戦の投手起用をまだ検討している。スティーブン・ボート監督(41)は第1、2戦の展開や、その時点で必要となる投手を見極めてから決めたいと話した。
エスピノが候補となる理由もある。ホワイトソックスがワイルドカードシリーズで登録した野手14人のうち、左打者が6人、両打ちが1人だった。左腕ジョーイ・カンティーヨ(26)の前に右腕エスピノをオープナーとして起用すれば、シカゴ側に打順編成を迷わすことができる。例えば左投手に強いランダル・グリチック(35)をエスピノ相手に先発させるか、カンティーヨ登板後に代打で起用するかという選択だ。
カンティーヨが制球に苦しんだ後、レギュラーシーズン最後の3登板ではエスピノがオープナーを務めた。カンティーヨはその3試合で計15回を無失点。5安打、4四球、17三振。この組み合わせはポストシーズンでも有効となる可能性がある。
ただし、ガーディアンズには他にも選択肢がある。エスピノとカンティーヨの組み合わせに加え、タナー・バイビー(27)、フォスター・グリフィン(31)も候補だ。第3戦の起用法は今後の展開次第となる。
ホワイトソックス
第1戦
未定
3試合すべての先発を「未定」とするのは、少々安易に映るかもしれない。ただ、ホワイトソックスを長年追ってきた人でも、現時点で3試合の先発を断定するのは難しい。
ウィル・ベナブル監督(43)には基本的な構想があるとみられるものの、まだ完全には固まっていない。
ワイルドカードシリーズ突破を決めた9月30日(同10月1日)、この件を聞かれたベナブル監督は笑顔を浮かべ、「分かりません」と予想通りの答えを返した。
2日(同3日)にプログレッシブフィールドで行われる前日練習でも、会見予定表の第1戦先発投手欄には「未定」と記されている。
アンソニー・ケイ(31)は9月27日のロッキーズ戦を最後に登板しており、第1戦の先発候補として有力だった。しかし、ホワイトソックスは9月30日のアストロズ戦でケイを救援起用し、五回のピンチをしのいだ。
エリック・フェディ(33)も候補の一人だった。先発だけでなく、ロングリリーフも務めてきた右腕は同日のアストロズ戦で最後の2イニングを投げ切り、シリーズ突破を決めた。低迷した2024年に数少ない明るい材料となった投手だけに、節目となる登板でもあった。
新人左腕ヘイゲン・スミス(23)は29日(同30日)の第1戦に先発し、3回無失点。メジャー昇格後は鋭い球で相手打者のスイングを大きく崩す場面も目立つ。
デービス・マーティン(29)は5月末まで8勝1敗と好成績を残し、一時は球界でも屈指の先発投手だった。9月26日を最後に登板しておらず、第1戦に先発する可能性も、リリーフで複数回を任される可能性もある。
ホワイトソックスは相手打線との相性や、打順のどの部分にどの投手をぶつけるかを考慮しながら、投手陣の起用法を組み立てている。
第2戦
未定(ショーン・バーク(26)の可能性)
4日(同5日)が移動日となるため、バークは5日(同6日)なら中4日で登板できる。9月30日(同10月1日)のアストロズ戦では4イニングを投げて8三振を奪った。
ただし、現在のホワイトソックスには一般的な意味での先発ローテーションがない。バークの第2戦先発も、現状では可能性を踏まえた予想にすぎない。
バークは最近、ホワイトソックスには投手が13人、ワイルドカードシリーズでは12人いたものの、チーム内では誰も先発、救援と明確に区別していないと冗談交じりに話した。
オープナーを使って相手の裏をかこうとしているわけではない。ベナブル監督と首脳陣は、その日の1試合に勝つため、最適な投手をつないでいる。今季のメジャーを代表するサクセスストーリーを生み出した戦い方だけに、今さら変える理由もない。
第3戦
未定(アンソニー・ケイ(31)の可能性)
ケイは9月30日に登板しているため、第3戦の候補として日程的には理にかなう。ただ、第1、2戦で登板が必要になる可能性もある。投手起用は状況に応じて変わる。
考慮すべきデータもある。デービス・マーティン(29)は今季、本拠地15先発で5勝3敗、防御率3.13。一方、敵地では14試合(13先発)で4勝5敗、防御率4.68だった。
ブルペンから複数回を投げて好投している新人左腕ノア・シュルツ(23)もいる。新人右腕デービッド・サンドリン(25)は本来先発投手ながら、アストロズ戦では救援登板した。
ショーン・ニューカム(33)は今季、先発から救援までさまざまな役割を担い、ガーディアンズ戦では8試合で防御率3.24を記録している。こちらも候補から外せない。

