ダルビッシュ有の復帰は、関係者が当初期待していたよりも時間を要しているものの、決して頓挫したわけではない。
土曜日、ダルビッシュはブルペンマウンドで数球を投げ、今週サンフランシスコで正式なブルペンセッションを行う予定であると明かした。右肘の炎症により春季トレーニングから離脱しているベテラン右腕は、5月中旬に3Aエルパソでリハビリ登板を1度行ったものの、その後の回復が芳しくなく、それ以降は実戦登板がない。
今回予定されているセッションは、そのリハビリ登板以降初めての本格的な内容となる見込みだ。なお、土曜日に行った投球は、本人によれば「6〜7球」程度で、翌日には問題なく回復できたと語っている。
「すごく楽しみ。今は気分がいい」とダルビッシュ。「投げられないのは本当につらい。でも今は良くなってきている。うれしい」と前向きな姿勢を見せた。
火曜日にブルペン投球を行う予定であり、その後のステップは体調次第となる。5月のリハビリ登板では51球まで投げたが、それからすでに3週間が経過している。
パドレスは、ダルビッシュが本格的な調整段階に入れば、復帰まで時間はかからないとの見方を崩していない。当初の想定ではリハビリ登板は1、2回で済むと考えられていた。
現状、チームにはダルビッシュのような先発投手が必須だ。マイケル・キングが右肩の神経を痛め負傷者リスト入りしたことで、26試合を27日間でこなす過密日程の中、先発陣は4人しか残っていない。火曜日のジャイアンツ戦では、新たに先発を昇格させる必要がある。
とはいえ、パドレスは復帰を急がせるつもりはない。むしろ「後半戦に健康な状態でいてくれること」を重視している。38歳のダルビッシュはもともと、フルシーズンのローテーションを想定されていたわけではなく、2023年に結んだ6年契約延長後の年間登板数は20前後に留まっている。
今季はその登板数には届かない可能性が高いが、仮に昨年の9・10月のような活躍ができれば、それで十分だと球団は考えている。
