優勝目指す米国主将のジャッジ「今度は俺たちが書き換える番」

February 28th, 2026

ヤンキース5-1ブルージェイズ】フロリダ州タンパ/スタインブレナーフィールド、2月28日(日本時間3月1日)

アーロン・ジャッジにとって、あの瞬間の細かな記憶は曖昧だ。自分がどこにいたのかは思い出せない。ただ一つ、2023年ワールドベースボールクラシック(WBC)決勝で大谷翔平がマイク・トラウトを三振に仕留めた瞬間に感じた感情だけは、はっきりと覚えている。

「今度は俺たちが、そのストーリーを書き換える番だ」とジャッジは28日(日本時間3月1日)の試合後に語った。

アメリカ代表への参加を表明し、主将に任命されてから10カ月。ジャッジはいよいよ金メダルを目指す準備が整った。

代表にはヤンキースのチームメート、デービッド・ベドナーとポール・ゴールドシュミットも名を連ねる。代表メンバーはアリゾナ州スコッツデールへ移動し、ジャイアンツとロッキーズとのエキシビション2試合に臨む。

1次ラウンドは3月6日、ヒューストンのダイキンパークでのブラジル戦から始まる。多くの選手がWBCを「キャリアのハイライト」と語ってきた。その声はジャッジの耳にも届いている。

「最初からポストシーズンのような雰囲気だと聞いている。でも同時に、シーズンへの仕上がりも早くなるとも言っていた。本気の勝負だ。国を背負って戦う」

2023年大会で代表入りしたベドナーも同意する。

「間違いなく最高の経験だし、これ以上ないシーズンに向けた準備にもなる。最初から全力投球だ」

ヤンキースは大会全体で存在感を示すことになる。ジャズ・チザムJr.とブレンダン・ベックは英国代表へ、オースティン・ウェルズ、カミロ・ドバル、アメド・ロサリオはドミニカ共和国代表として出場する。

「自分はヤンキース以外のプロ野球を知らない。外に出て、他の選手が何をしているかを見て学び、それを持ち帰りたい」とウェルズは語る。

フェルナンド・クルーズとエルマー・ロドリゲスはプエルトリコ代表、ハリソン・コーエンはイスラエル代表、ホセ・カバジェロはパナマ代表としてプレーする。カバジェロは3月3日、ヤンキースとのエキシビションマッチにも出場予定だ。

「野球の最大の舞台で祖国を代表するのは特別な瞬間だ。家族や地元の友人のために戦うことに誇りを感じている。みんながこの大会を見ているはずだ」とカバジェロは語る。

コーチ陣やOBも多く関わっている。ベンチコーチのブラッド・オースマス(イスラエル監督)、捕手コーチのタナー・スワンソン(英国ベンチコーチ)、アンディ・ペティット(米国投手コーチ)、フランシスコ・セルベリ(イタリア監督)、ホルヘ・ポサダ(イタリア打撃コーチ)らが参加する。

ブライアン・キャッシュマンGMは、これだけ多くの選手が代表としてプレーすることを前向きに捉えている。

「みんなの健闘を祈っている。優れた選手がいれば各国はほしがる。ヤンキースから多くの選手が出るのは、それだけ良い選手が多い証拠だ」

もしジャッジ率いる米国代表が3月17日(日本時間18日)の決勝(マイアミ、ローンデポパーク)へ進めば、開幕まで約1週間でキャンプ復帰となる。27日には選手同士が抱擁を交わしながらキャンプを離れた。その一方で、残る選手たちにとってはアピールの機会が増える。

「大会をみるのが楽しみだし、素晴らしい大会になると思う。選手たちはこの冬しっかり準備をしてきた。野球界にとっても非常に良いことだ」とアーロン・ブーン監督は語る。

ジャッジは、ブライス・ハーパー、ボビー・ウィットJr.、カル・ローリーらスター選手との時間を心待ちにしている。ヤンキースの仲間には電話やメッセージで連絡を取り合おうと伝えたが、おそらく必要ない。全員がテレビ越しに見守るはずだからだ。

「(参加を)表明した日と同じくらいワクワクしている。楽しい大会になる。みんな気合十分だし、いよいよその時が来たんだ」とジャッジは笑顔で語った。