アーロン・ジャッジは、これまでのすべての賞や栄誉を捨てても、もう一度ワールドシリーズで優勝できるチャンスと交換したいと語る。その言葉には十分に説得力がある。昨季、ヤンキースは、こうしたチャンスには決して保証がないことを学んだ。
現在のオフシーズン、ヤンキースは再びジャッジを中心にチームを組み立てている。ジャッジは、近年稀に見る接戦を制してマリナーズのカル・ローリーをわずかに上回り、4年で3度目のア・リーグ最優秀選手(MVP)に輝いた。
ジャッジは、MVP受賞の電話会見でこう語った。
「今まで獲得してきたすべての賞やオールスター出場も、優勝のチャンスとなら交換したい。まだキャリアは長く残っている。来年が『その年』になればいいと思う。それが僕の最大の目標だ。だから毎日目を覚まし、より良い選手になるために努力している」
ジャッジは優勝できなかった年、自分に何ができたかを内省する。その姿勢は称賛に値するが、ヤンキースが改善すべき課題を挙げるとき、ジャッジ自身が問題になることはない。
昨シーズンもそれは明白で、ジャッジは素晴らしい活躍を見せたものの、ヤンキースはブルージェイズにほぼ一年間圧倒され、ア・リーグ王座の防衛に失敗した。特にALDSでは、ジャッジの第3戦での同点3ラン以外は、目立った場面がほとんどなかった。
それでも、アーロン・ブーン監督は2025年のロースターについて「誰とでも互角に戦えるチームだった」と語り、同じメンバーで再挑戦する可能性を示唆している。
また、ブライアン・キャッシュマンGMも、このオフシーズン、ジャッジが34歳を目前に控え、一般的に選手のパフォーマンスが徐々に下降し始める年代に差し掛かっているからといって、急いで補強する必要は感じていないと語った。
「それは意識していない。その時点で使える選手で、できるだけ最高のチームを作ることだけを考えている」とキャッシュマンは10月に述べた。
オフシーズン最初の大きな動きは、トレント・グリシャムへのクオリファイングオファーで、年俸は2202.5万ドル(約33億円)。キャリアハイの34本塁打を放ったグリシャムは、18日の夕方までに契約を受け入れるかどうかを決める必要がある。拒否すれば、フリーエージェント(FA)外野手市場の状況がより明確になるとみられる。
そのため、コディ・ベリンジャーには多くの球団から関心が集まるのも自然なことだ。エージェントのスコット・ボラスは、最近のGM会議でベリンジャーを「唯一の5ツールFA外野手」と称賛し、映画『トップガン』の引用も交えてその価値を強調した。
キャッシュマンは、ベリンジャーの再契約にクラブが関心を持っていることを改めて強調した。ベリンジャーは152試合で打率.272、29本塁打、98打点を記録している。現在の構想では、ジャッジとともにジャッソン・ドミンゲスや有望株のスペンサー・ジョーンズを外野に置くことも検討されている。
しかし、焦点はベリンジャーで、「もちろん、彼には戻ってきてほしい」とキャッシュマンは切望する。
一方で、デビン・ウィリアムズやルーク・ウィーバーがFAになったブルペンの強化は依然必要だ。先発陣も心配の種で、ギャレット・コール、カルロス・ロドン、クラーク・シュミットがシーズン開始時に負傷者リスト入りすることにより、マックス・フリードらへの負担が増す。
ライアン・ヤーブローやポール・ブラックバーンのような実力あるスイングマン(先発と救援の両方をこなせる投手)がいれば、先発陣が復帰するまでブルペンを支えることができる。キャッシュマンは、ヤンキースが「投手不足への備え」を検討しているとも述べた。
そして、すべてはジャッジに帰着する。記者との電話会見で、ジャッジはジョー・ディマジオ、ヨギ・ベラ、ミッキー・マントルと並ぶ3度目のMVPという言及を軽く受け流した。これらの偉大なヤンキース選手は複数のリングを獲得しているが、ジャッジはまだ最初のリングを追い求めている。
それでも、ジャッジは他チームの優勝を毎年見せつけられることは我慢できないと語った。
「2023年にヤンキースと再契約したとき、ここで仕事をやり遂げ、ワールドシリーズを持ち帰るつもりだった。今もその使命を追い続けている」
