あと1アウトで、ベネズエラ代表がワールドベースボールクラシック(WBC)準決勝進出。そんな場面で、守護神ダニエル・パレンシアの前に立ちはだかっていたのは、世界最高の野球選手とも言われる大谷翔平だった。
しかし、パレンシアは持ち味の速球を投じ、大谷をフライに打ち取って日本の連覇を阻止。歓喜の輪が広がり、その中心にパレンシアの姿があった。
2026年ワールドベースボールクラシック
カブスの捕手カーソン・ケリーは15日(日本時間16日)、「状況を完全にコントロールしているように見える。若い選手は大舞台で固くなってしまうことも多いが、彼にはそういう様子がまったくない」と大舞台で躍動するチームメイトを称賛した。
パレンシアは源田壮亮と近藤健介を三振に仕留めた後、大谷を打ち取って8-5の逆転勝利を締めくくった。カブスファンにとってはおなじみの光景だが、この試合でその圧倒的な球威が世界的な舞台、そして世界屈指の強豪相手に示された。
16日のイタリア戦でも九回を無失点で締め、ベネズエラを初の決勝へと導いた。大会では3試合に登板し、計4イニングで無失点、無安打、7三振、1四球という内容を残している。
カブスの先発ケイド・ホートンは16日、「本当に素晴らしいことだ」と祝福した。
「自分のことのように嬉しい。素晴らしい人間で、チームメートとしても最高で、努力を惜しまない。自国のために試合を締めくくる姿を見るのは本当に特別で、大きな名誉だ」
2年前、パレンシアを表す言葉に「コントロールしている」という評価はなかった。剛速球を誇るものの制球に課題があり、信頼を得るまでに時間を要していた。しかし、昨年は3Aのアイオワでシーズンをスタートし、そこからシーズン中盤にはメジャーでクローザーの役割をつかみ取り、ポストシーズンでは複数イニングを投げる中継ぎとして起用された
カブスのクレイグ・カウンセル監督は15日、「彼にとって素晴らしい経験だ」と語った。
「これまでも重要な場面を経験してきているので初めてではないが、昨夜は本当に素晴らしい夜だったし、楽しめたはずだ。とても良い経験になったと思う。ダニエルにとって、この大会に参加してよかったと感じるきっかけになったのではないか」
パレンシアは昨年4月にカブスのブルペンに加わり、5月21日に最初のセーブ(全22セーブ)を記録した。54試合に登板し、52回2/3を投げて防御率2.91、61三振、16四球。2024年にはメジャーで10試合に登板し、防御率6.14と苦しんだが、そこから大きな飛躍を遂げた。ポストシーズンでは6試合中5試合で無失点、三回から六回の間を中心に4度の複数イニングで登板した。
カウンセル監督は通常、投手に明確な役割を与えることはしないが、今春は例外としてパレンシアをクローザーに指名した。それはこの26歳の右腕が監督だけでなくチームメートからも信頼されていることの表れである。
「重要な場面になるほど、彼は良くなっているように見える。シーズン序盤は少し力みがあったが、時間が経つにつれて落ち着いていった。彼にとって重要なのは自信を積み重ね続けることだ。とても優れたボールを持っている」とケリーは語った。
