ドジャースが、王座防衛の舞台に立つ。
ドジャースはナ・リーグ優勝決定シリーズ(NLCS)をスイープ(4連勝)し、球団史上23度目のワールドシリーズ(WS)進出を決めた。昨季のWSではヤンキースに4勝1敗で頂点に立っており、9度目の世界一、そして1998〜2000年のヤンキース(3連覇)以来となるWS連覇を狙う。
一方のブルージェイズは、マリナーズとのア・リーグ優勝決定シリーズ(ALCS)を第7戦までもつれ込む激闘の末に制覇。シリーズは第1戦と第7戦の終盤にジョージ・スプリンガーが決定打を放つ劇的な展開で幕を開け、そして締めくくられた。
昨年の対戦カードはワールドシリーズ史上で最も多い組み合わせだったが、今年の頂上決戦は初顔合わせとなる。
ブルージェイズがWSに進出するのは、1992年(対ブレーブス)、1993年(対フィリーズ)に連覇して以来、32年ぶり。
24日(日本時間25日)にカナダ・トロントで開幕するドジャース対ブルージェイズのWSの見どころは以下の通り。
本拠地アドバンテージはどちらに?
今季の成績で1勝上回ったブルージェイズ(94勝68敗/ドジャース93勝69敗)が本拠地アドバンテージを持つ。
- 第1戦:10月24日(日本時間25日=トロント、ロジャースセンター)
- 第2戦:10月25日(同26日=トロント、ロジャースセンター)
- 第3戦:10月27日(同28日=ロサンゼルス、ドジャースタジアム)
- 第4戦:10月28日(同29日=ロサンゼルス、ドジャースタジアム)
- 第5戦:10月29日(同30日=ロサンゼルス、ドジャースタジアム)
- 第6戦:10月31日(同11月1日=トロント、ロジャースセンター)
- 第7戦:11月1日(同2日=トロント、ロジャースセンター)
※いずれも午後8時開始予定(東部時間=日本時間午前9時、日付は米国時間の翌日)。
ブルージェイズのワールドシリーズ戦歴は?
出場2回でいずれも優勝。最後の打者、ジョー・カーターのサヨナラ本塁打(1993年WS第6戦)はMLB史屈指の名場面として知られる。
- 1992年:対ブレーブス(優勝)
- 1993年:対フィリーズ(優勝)
両軍の対戦成績(通算)
ドジャースの19勝11敗。直近では今季8月のドジャースタジアム3連戦で、ドジャースが2勝1敗(スネル、カーショーが合計16回で自責1)。最終戦はアーニー・クレメントの9回表決勝弾でトロントが1試合を取り返した。
現在のロースターで“縁”のある主な人物
- テオスカー・ヘルナンデス(LAD):2017〜22年にトロントで2度のシルバースラッガー。
- マックス・シャーザー(TOR):2021年のトレード期限にWSH→LAD、ポストシーズン込み85回で防御率2.01。
- ベンチにも縁:ドン・マッティングリー(TORベンチコーチ/2011〜15年LAD監督で地区3連覇)、クリス・ウッドワード(LAD一塁コーチ/1994年にTOR指名、12年のうち7年をトロントでプレー)。
両球団でプレーした“名選手”
- マックス・シャーザー(殿堂入り確実級)
- リッキー・ヘンダーソン(1993年TOR優勝メンバー/2003年にLADで現役最終30試合)
- フレッド・マグリフ(2003年LAD、1986〜90年TORで通算493本中125本)
その他:ジェフ・ケント、デービッド・プライス、ショーン・グリーン、デーブ・スチュワート、ジャスティン・ターナー、ラウル・モンデシー、カーティス・グランダーソン、ラッセル・マーティン、柳賢振(リュ・ヒョンジン)、デービッド・ウェルズ など。
対戦の注目ポイント
1. 大谷翔平の「二刀流支配」をどう抑えるか
大谷翔平(31)は地区シリーズ(NLDS)、ナ・リーグ優勝決定シリーズ(NLCS)序盤は打撃で苦しんだが、NLCS第4戦で爆発。ポストシーズン史上12人目となる1試合3本塁打を記録した。初回には446フィート(約136メートル)の先頭打者弾、4回には469フィート(約143メートル)の特大弾、7回にも427フィート(約130メートル)の一発を放った。
さらに、その試合では先発投手としても6回を無失点、10奪三振。投打での圧倒的なパフォーマンスは「史上最高級」と評された。もし大谷が再びこの勢いを維持すれば、ドジャースを倒すのは極めて難しくなる。
2. ドジャースはブラディミール・ゲレーロJr.を止められるか
ドジャース投手陣は今ポストシーズンで圧巻の内容を続けているが、ゲレーロJr.だけは例外だ。
11試合で打率.442、出塁率.510、長打率.930、6本塁打、12打点。ALCSではMVPにも輝いた。
ブルージェイズ打線の顔を封じること。それがドジャース投手陣の最優先課題となる。
3. ブルージェイズはドジャース先発陣から得点できるか
ドジャース先発陣は今ポストシーズン、ワイルドカードシリーズ以降で防御率1.40、64回1/3で81奪三振と圧倒的。平均して6回以上を投げ、1イニングあたり1三振以上を奪っている。
代表的な試合:
- NLCS第1戦(スネル):8回無失点、被安打1、10奪三振、無四球
- NLCS第2戦(山本由伸):完投勝利1失点
- NLCS第4戦(大谷翔平):6回無失点、10奪三振
この鉄壁のローテーションをどう崩すか。それがブルージェイズ打線の最大の試練となる。



