【メッツ11-7パイレーツ】ニューヨーク/シティフィールド、3月26日(日本時間27日)
野球のボール・ストライク判定の歴史が動いた。
26日(日本時間27日)、メッツの捕手フランシスコ・アルバレスがメジャーリーグ史上初めて、ABS(自動ボール・ストライク)チャレンジに成功した。アルバレスは心なしか誇らしげだった。
アルバレスは、先発のフレディ・ペラルタが投じたフルカウントからの外角への速球に対してチャレンジ。ボール判定が覆り、パイレーツのオニール・クルーズはすでに一塁へ歩き出していたが、見逃し三振に倒れ、引き返すことになった。その2球後にブランドン・ラウが本塁打を放ったことを考えると、メッツにとって非常に大きな判定だったと言える。
「すぐに分かったよ」とペラルタは語った。
「チャレンジしようと思ったんだけど…彼(アルバレス)が先にやったんだ。僕もまさにやろうとしていたところだったから、完全に息が合ってたと思う」
今季から選手は、T-Mobileが提供するABSチャレンジシステムを利用し、球審の判定に異議を申し立てることができるようになった。これにより、判定の正確性が向上すると同時に、新たな戦略的な要素も加わる。
ABSは前日の25日(日本時間26日)にサンフランシスコで行われた開幕戦で正式導入された。ヤンキースのホセ・カバイェロが四回にストライク判定に対してチャレンジしたが失敗。この日のアルバレスのチャレンジが、MLB史上初の成功例となった。
ABSは2022年からマイナーリーグで導入されており、多くの選手やファンにとっては既に馴染みがある。昨年からはメジャーのスプリングトレーニングでも使用され、昨年9月に合同競技委員会の承認を得て正式導入となった。
ABSチャレンジシステムは各投球の位置を正確に追跡し、選手の身長に合わせて調整されたストライクゾーンに対して数ミリ単位で判定する。ほとんどの判定は従来通り審判が行いながら、明確な誤審のみ修正する仕組みである。投手、捕手、打者は投球直後に帽子やヘルメットに触れることでチャレンジできる。ベンチからの指示は認められていない。
判定結果はテニスのイン・アウト判定のように、数秒以内に球場のビジョンや中継で表示される。
各チームはスプリングトレーニングを通じて、誰がチャレンジするべきか、また疑わしい判定でもチャレンジしない方が良い場面について検討してきた。1試合で2度チャレンジに失敗すると権利を失う。そのため、重要度の低い序盤はチャレンジを控え、終盤の重要な局面に温存する戦略も有効と考えられている。
また、球団によっては投手にはABSチャレンジを行わせずに、捕手に全権を与えることもある。ただし、結果的に今回はアルバレスが要求したが、メッツはそのような制限を設けている訳ではない。
「100パーセント確信があることはない。ただ、背の高いバッターだったから、ストライクゾーンが少し広いのは分かっていた。あの球に関しては結構自信があった」とアルバレスは振り返った。
