2017年のワールドシリーズ(WS)でキャリアを象徴する活躍をした思い出の地、ドジャースタジアムに戻ってきたジョージ・スプリンガー。再びこの舞台に立った喜びは、あまりにも突然、痛みとともに終わりを迎えた。
第3戦の七回、先頭打者として打席に立ったスプリンガーは、ドジャースの救援ジャスティン・ロブレスキーの初球をファウル。直後、右脇腹に手を当て顔をしかめた。タイムを要求しダグアウトに声をかけると、トレーナー陣との短い会話の後、代打タイ・フランスと交代し、そのままクラブハウスへと下がった。
試合中に正式な発表はなかったものの、スプリンガーが手を当てていた箇所から判断すれば、腹斜筋を負傷した可能性が高い。
スプリンガーにとって、今ポストシーズンでの負傷はこれが初めてではない。ア・リーグ優勝決定シリーズ第5戦では右膝を直撃する死球を受け途中交代。さらにWS第2戦では山本由伸の投球が右手に当たった。それでも、欠場することなく出場を続けていた。
「ガムテープで体をつないでるようなものだ。(膝の痛みは)良くなったり悪くなったりだが、大丈夫だ。なぜか第1戦当日はオフの日よりも痛みが強かったが、問題ないと思うよ」とジョン・シュナイダー監督は第3戦前に語っていた。
ただし、腹斜筋の負傷となれば、これまでとは事情が異なる。第4戦だけでなく、残りのWS全体を欠場する可能性すらある。
仮にそうなれば、DHの枠はボー・ビシェットに回る可能性がある。左膝の負傷で1カ月以上戦列を離れていたビシェットは、WSで復帰したものの、万全とは言い難く、本来の遊撃ではなく二塁を務めている。外野陣は、左投手相手にはマイルズ・ストロー、右投手相手には最近出番の少ないジョーイ・ロパーフィドが起用される見込みだ。
とはいえ、ブルージェイズ打線の心臓であり、勝負どころで輝く生粋のポストシーズンプレーヤーを失えば、32年ぶりの悲願達成へ大きな痛手となる。
