10日(日本時間11日)、Tモバイル・パークの外に設置されたイチロー氏の銅像除幕式で、ちょっとしたトラブルが発生した。しかし、そんなピンチもイチロー氏の手にかかればエンタメに変わる。
打席でのイチロー氏の象徴的なポーズを模した銅像に取り付けられていたバットが、除幕の瞬間に折れてしまったのだ。近くで確認すると、カバーが掛かっていた段階ではまだバットは真っすぐだったが、取り外す際に後ろへ引っ張られ、折れてしまったようだ。
銅像の正面側からカバーを外すのを手伝っていたケン・グリフィーJr.氏は、「自分のせいじゃない」と冗談を飛ばした。グリフィーJr.氏は笑いながら、その場にいたエドガー・マルティネス氏に助けを求めるように肩に頭を預けた。イチロー氏は笑顔で2人に抱きつき、会場は一瞬の緊張感のあと、すぐに和やかなムードに包まれた。
マリナーズとしてはトラブルなく進行するのが理想だったが、こうしたハプニングさえ笑いに変えられるのがイチローだ。殿堂入り級のプレーはもちろん、言語の壁を越えたユーモアもまた、25年前にメジャーに挑戦した際、チームメートとの距離を縮めた大きな理由だった。
マリナーズもこの出来事をネタにし、同日、先着4万人に配布予定のボブルヘッドの画像をまるで折れたバットを持っているかのように加工し、SNSで公開した。
イチロー氏の会見が終わる頃にはバットは修復され、ファンが銅像の横でポーズを真似しながら写真を撮る姿が見られた。
銅像の制作を担当したのは著名な彫刻家ルー・セラ。Tモバイルパークの外に並ぶグリフィーとマルティネスの銅像も手がけている。
制作にはイチロー氏も深く関わり、複数回のオンラインでの打ち合わせに加え、シアトルで直接打ち合わせも行われた。その際、イチローはア・リーグMVPと新人王を受賞したシーズンを再現するため2001年のユニフォームを着用して撮影した。
除幕式にはイチローの妻の弓子さん、秋田犬の愛犬・姫弓(ききゅう)も参加し、多くの球団職員も招かれた。
元チームメートで現在監督のダン・ウィルソン氏も出席し、長年の弟子であるフリオ・ロドリゲスも参加。ロドリゲスはワールドベースボールクラシックでも使用したハンディカメラを持参し、自らの視点でその瞬間を記録した。
銅像は球場の外、一塁側に設置され、同じく殿堂入りしているグリフィーとマルティネスの銅像と並ぶ。球場内のもう一つの銅像は、殿堂入りアナウンサーのデーブ・ニーハウスのみだ。
