【ブルワーズ3-4xレイズ】セントピーターズバーグ/トロピカーナフィールド、10月27日(日本時間10月28日)
27日の午後、トロピカーナフィールドに到着したレイズは、自分たちの置かれた状況の厳しさを理解していた。ワールドシリーズで、この状況から逆転したチームは一つもない。その事実も、十分に分かっていた。
それでも、あっさり引き下がり、ブルワーズの歓喜を見届けるつもりはなかった。
崖っぷちに立たされた中、DHのヤンディ・ディアスは、グリフィン・ジャックスが初球を投じる数時間前、胸中を語った。「ここから巻き返すのは難しい。でも、不可能じゃない」
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レイズは、その第一歩を踏み出した。延長12回にクーパー・プラットの本塁打を浴びながらも立ち上がり、延長12回でサヨナラ勝利を収め、シーズンをつないだ。
レイズにとって、2020年の第4戦以来となるワールドシリーズでの勝利となったこの日の一戦から、4つの注目点を挙げる。
栓を抜かせない
この日は「ナショナル・アメリカン・ビール・デー」だった。大麦、ホップ、酵母、水から生まれるビールが球団のアイデンティティーそのものとあって、ブルワーズには縁起のいい日にも思えた。
だが、レイズは思い通りにはさせなかった。劇的な勝利で、ミルウォーキーの祝宴を阻んだ。
12回、ジュニオール・カミネロが三塁手ジョーイ・オルティスの悪送球で出塁すると、リアム・ヒックスが新人シェーン・ドロアンから左前打を放ち、カミネロを三塁へ進めた。続くジョニー・デルーカの中前打で、代走セドリック・マリンズが同点のホームを踏んだ。
チャンドラー・シンプソンも中前打で続き、無死満塁。ビクター・メサJr.に代わって打席に入ったベン・ウィリアムソンが、ドロアンの初球を右翼へ運び、サヨナラ勝ちを決めた。
勝利をあげたとはいえ、過去の戦績はいまだにブルワーズ圧倒的有利を示している。7試合制のワールドシリーズで3連敗した25チームのうち、第6戦まで進んだチームはない。第5戦に持ち込んだ例も、1910年のカブス、1937年のジャイアンツ、1970年のレッズ、2024年のヤンキースだけだ。
それでも、第一歩にはなった。
足で流れを変える
前日の第3戦で1-10の大敗を喫したレイズには、流れを変えるプレーが必要だった。シンプソンが、それをもたらした。
打順が6番に下がったシンプソンは、二回、ダスティン・メイから右翼線へ鋭い二塁打をマーク。一塁からデルーカが生還した。
タンパベイがリードを奪う展開は、ミルウォーキーでの第2戦以来だった。舞台は、シーズンを通して強さを発揮してきた本拠地。ホーム成績55勝26敗は、ブルワーズと並ぶメジャー最高だった。今ポストシーズン、先制したチームは26勝13敗を記録している。
要所にジョニーあり
延長に入る前から、デルーカは随所で存在感を示していた。四回には、見事なダイビングキャッチでウィリアム・コントレラスの安打を阻止。前方へ猛ダッシュし、打球が人工芝に落ちる寸前に捕球した。
その後、ブルワーズは2死からプラットの適時二塁打で、タンパベイ先発ジャックスから得点した。コントレラスの出塁を阻んだデルーカの好守がなければ、試合は延長戦まで続かなかったかもしれない。
デルーカは四回にも、重要な場面を生み出した。三塁へゴロを叩きつけると、走者のカミネロはデービッド・ハミルトンのタッチをかわして三塁へ到達。ハミルトンが一塁へ悪送球する間に生還した。リプレー検証でも、タッチが成立していなかったと確認された。
救援陣にひと安心
ここまでのワールドシリーズで、最も大きな差が表れていた救援陣だが、この日、特に終盤にかけてしっかりと役割を果たした。レギュラーシーズンでメジャー最多の41セーブを挙げた抑えのブライアン・ベイカーも、今シリーズ初登板を果たした。
10月19日、クリーブランドとのア・リーグ優勝決定シリーズで突破を決めた第6戦以来の登板となったベイカーは、八回をわずか8球で難なく終えた。
そして九回。1死からギャレット・ミッチェルが左翼へ深いフライを放ったが、シンプソンがフェンス際で完璧なタイミングのジャンピングキャッチで、チームを救った。
その前の打席で単打を放っていたプラットが、続いて二盗を試みた。当初はセーフと判定されたが、リプレー検証で、リッチー・パラシオスが滑り込むプラットの左手にタッチしていたと判明した。
