シュワーバー争奪戦が過熱、移籍先は東地区?

December 1st, 2025

カイル・シュワーバーを巡る市場の動きが、来週に控えた毎年恒例のウインターミーティングを前に、輪郭を見せ始めている。

32歳のスラッガーとの再契約はフィリーズにとって最優先事項だと言われているが、関係者が先週MLB.comのトッド・ゾレキ記者に明かした情報では、両者は合意に近い段階には至っていないという。その結果として、他球団が一気に獲得に動ける状況になっており、フィラデルフィアにとって最大級のライバル球団が有力な移籍先候補として浮上している。

ESPNのジェフ・パッサン記者によると、メッツは2025年に56本塁打を放ち、ナ・リーグMVP投票で2位だったシュワーバーの獲得レースに加わっている。ニューヨークにとっては明らかに理想的な補強だ。ピート・アロンソがオプトアウト(契約破棄)したため、長打力が必要になっており、主力左打者の一人だったブランドン・ニモもトレードで放出した。加えてスターリング・マルテもフリーエージェント(FA)になっているため、DHの枠も空いている。

とはいえ、シュワーバーの要求する条件が似た水準なら、メッツはアロンソと単純に再契約する方が合理的かもしれない。アロンソは球団の通算本塁打記録保持者で、ファンにも愛される存在であり、さらに獲得してもドラフト補償が発生しない。

一方、シュワーバーはフィリーズのクオリファイング・オファー(FA選手への1年契約)を拒否しているため、メッツが契約するには複数のドラフト指名権に加え、インターナショナル・ボーナスプール(米国外アマチュア選手獲得用の予算)から100万ドル(約1億5000万円)を放棄する必要がある。

もちろん、シュワーバーに関心を示しているのはナ・リーグ東地区の2球団だけではない。レッドソックスも有力な候補の一つだ。先発のソニー・グレイをトレードで獲得して大きな補強ポイントを埋めており、今は打線の中軸を任せられる打者を探している。レッドソックスとしては本来、右打者の獲得を優先しており、アレックス・ブレグマンとの再契約やアロンソへのアプローチなどの選択肢もある。それでも、MLBネットワークのジョン・ヘイマン記者がニューヨーク・ポストの記事(有料版)で伝えているように、シュワーバーはボストンにとって「有力な候補」となっている。

ヘイマン記者によれば、オリオールズもシュワーバー獲得レースに加わっている。今オフは外野手テイラー・ウォードをトレードで迎え、クローザーのライアン・ヘルズリーをフリーエージェントで獲得するなど、積極的に動いている。

さらにレッズも候補に挙がる。シュワーバーにとっては、出身地オハイオ州ミドルタウンに近い土地でプレーできる球団だ。シンシナティはこれまで、総額6400万ドル(約100億円)を超える契約でフリーエージェントを獲得したことがない。それでも2025年にポストシーズン進出を果たした後だけに、有望な若手投手陣がそろっているうちに優勝争いの可能性を最大限高めたい。そのため、この冬は例年以上に積極的に資金を投じる動機が生まれてもおかしくない。

いずれにしても、シュワーバー獲得争いの決着は早い可能性がある。パッサン記者は、ウインターミーティングが終わるまでに契約がまとまらなければ意外だ、と予想している。