3度のMVPジャッジが目指す初めての全米王者

November 22nd, 2025

アーロン・ジャッジが9シーズンを経て、どれほど特別な領域に到達したかは誰もが知っている。ヤンキースでMVPを3度受賞した選手は、ジョー・ディマジオ、ミッキー・マントル、ヨギ・ベラ、そしてジャッジの4人だけ。シーズン60本以上を放ったヤンキース選手も、ベーブ・ルースとロジャー・マリス、そしてジャッジの3人のみだ。さらに、MLB史上「シーズン50本以上を4度達成した選手」は、ジャッジ、ルース、マーク・マグワイア、サミー・ソーサの4人だけである。

しかしジャッジには、できるだけ早く自分の名前を消したいリストがある。「ワールドシリーズを優勝できなかった偉大な選手たち」のリストだ。そこにはテッド・ウィリアムズ、ケン・グリフィーJr.、バリー・ボンズ、イチローといった殿堂入り選手の名が並ぶ。近年で言えば、ケガに悩まされるマイク・トラウトもこのままでは優勝に届かないかもしれない。

ジャッジがこれまでにワールドシリーズに出場したのは一度のみ。まだ時間はあるが、2017年にルーキーとして史上初の50本超えを達成した時に比べれば、その時間は確実に減っている。

1年前、ジャッジはついにドン・マッティングリー(最新の時代委員会の殿堂候補でもある)が果たせなかったワールドシリーズ進出を達成した。しかしドジャース相手には1勝しか挙げられず敗戦。今年は、ア・リーグ最多の94勝をブルージェイズと分け合ったが、ア・リーグ地区シリーズ(ALDS)では再び1勝のみ。第3戦でジャッジが左翼ポール直撃の劇的な本塁打を放ったが、流れを変えることはできなかった。

このALDSは、ジャッジにとってポストシーズン最高の出来だった。これまで苦手としていた10月で、打率.600、出塁率.684、長打率.933、OPS 1.618(4試合9安打)と圧巻の数字をマーク。ワイルドカードシリーズでもレッドソックス相手に打率.364と好調で、ようやく大舞台で本領を発揮した。

しかしチームはまたしても頂点に届かなかった。

そして迎える2026年、メジャー10年目のシーズンで、ジャッジは自らとチームの物語を変えようとしている。

ALDS敗退後、ジャッジはいつものように自分よりチームメイトとファンのことを語った。
「1年間、俺たちが勝ち抜けるチャンスは十分にあった。特別なチームだった。これが最後になるかもしれない仲間がいて、彼らと再び優勝争いの長い道のりを歩めないのは本当に辛い。1年間応援してくれたファンもがっかりさせてしまって残念だ」

さらにジャッジは続けた。「改善すべき点はいくつかある。でもそれをやれば、また必ず戻ってこれる」

ジャッジが在籍してきた過去10年で8度のポストシーズン進出と、ヤンキースは常に優勝争いのチャンスを得てきた。しかし、ALCS敗退が3度、昨年はドジャース相手にワールドシリーズで敗れた。毎年強いチームではあったが、「最高のチーム」にはなり切れていない。

今季の94勝の詳細を見ると、ア・リーグ東地区相手には27勝25敗と僅差で、そのうち6勝は87敗を喫したオリオールズ相手の9月のものだ。また、ポストシーズン進出11チームに対して勝ち越したのは3チームのみ。ヤンキースが改善すべきは「強豪相手に強い野球をすること」であり、ア・リーグ中地区のような下位相手だけに勝つのでは意味がない。

ジャッジはすでに、ルース、ゲーリッグ、ミッキー、ヨギ、ジョー・ディマジオらと肩を並べる「史上最高クラスのヤンキース選手」であると証明している。しかし同時代のもう一人の伝説、大谷翔平はすでに2度のワールドシリーズ制覇を経験し、同僚のムーキー・ベッツも4度の優勝を誇る。

偉大なヤンキースたちが10月に残してきた歴史を、われわれはよく知っている。ジャッジもまた、自分自身の歴史を刻みたい。それもできるだけ早く。ベラも語ったように、ヤンキースタジアムでの日々は「遅くなるのが早い」のだから。