2025年の連覇で改めて証明されたように、ワールドシリーズを勝ち抜くにはスター選手の活躍だけでなく、『チーム全体の総合力』が不可欠だ。
大谷翔平、山本由伸、ムーキー・ベッツらのスター選手が躍動する一方で、名脇役たちもレギュラーシーズンからポストシーズンにかけて大きな存在感を放ち、連覇の栄冠につながった。ワールドシリーズでは、第3戦でのウィル・クラインの好リリーフ、ミゲル・ロハスの華麗な守備と第7戦の同点弾、そしてアンディ・パヘスの延長戦突入を呼び込んだスーパーキャッチなど、勝利を決定づけるシーンがいくつも生まれた。
ドジャースは2026年に『3連覇』という前人未到の領域に踏み込めるのか。実現すれば、1998〜2000年のヤンキース以来の快挙となる。その歴史的挑戦を支える可能性を秘めた6選手を紹介する。
2025年のポストシーズンで、一躍ブルペンの頼れる存在となった佐々木。ワールドシリーズの第3戦と第6戦を含む計10回2/3でわずか1失点と圧巻の投球でホールド2、セーブ3をマークした。シーズン序盤の不振、右肩の負傷からの見事な巻き返しだった。
2026年は再び先発としてシーズンをスタートする予定だ。課題は四球の多さで、2025年の先発8試合すべてで2つ以上の四球を与えている。ただ、100マイル(161キロ)前後の速球と鋭く落ちるスプリットが健在なら、山本、大谷、ブレイク・スネル、タイラー・グラスナウに次ぐ5番手として十分計算できる。
4年7200万ドル(108億円)の大型契約で迎えられたスコットは、ブルペンの軸として期待されていた。しかし、2025年は防御率4.74と低調で、左肘の炎症による離脱もあり、さらに下半身の膿瘍の治療のためポストシーズン登板はゼロに終わった。
2023〜24年にマーリンズとパドレスで防御率2.04を記録した本来の姿を取り戻せれば、2025年に防御率4.27と苦戦したドジャース救援陣にとって大きな戦力となるはずだ。加入直後は21試合で防御率1.74と好スタートを切っていたこともあり、健康でフル稼働できればポストシーズンの重要局面を任せられる左腕になり得る。
トッププロスペクトとして2025年に昇格したが、ウィル・スミスというリーグ屈指の正捕手がいるためレギュラー奪取は厳しい道のりだ。チームは2026年に出場機会を増やす考えで、外野起用も視野に入れていると報じている。
2025年のメジャーでは捕手41試合、一塁で8試合の出場にとどまったが、マイナーでは左翼での経験が豊富だ。打率.204、OPS.582と打撃面では苦しんだものの、パワーは本物。複数ポジションをこなせる貴重な戦力として、2026年は重要な役割を担う可能性が高い。
2025年シーズンは静かながら高い貢献度を示した。71試合で1.7 bWAR、打率.280、盗塁13(成功率93%)を記録し、二塁・遊撃・中堅の三つの重要ポジションを無難にこなした。
2026年の課題は、選球眼の改善だろうか。52三振に対して四球は7つと、打席での粘りが課題となる。二塁にはエドマン、遊撃はベッツ、中堅にはパヘスがいるため、レギュラー定着は簡単ではない。それでも2025年同様の『スーパーサブ』として存在感を発揮できれば、リーグ屈指のユーティリティプレーヤーとなる可能性を秘めている。
トミー・ジョン手術のリハビリで2025年は全休したが、2026年には復帰が見込まれる。2024年には4先発で防御率1.33、20回1/3で18三振と、将来性を感じさせる投球を披露していた。
MLBパイプラインは、ライアンを「ドジャースの投手プロスペクトで最も多彩で質の高い球種を持つ」と評価。90マイル台後半(153キロ以上)の速球に加え、キレのあるスライダーを含む計6球種を操る。ローテーション入りが難しくても、ロングリリーフやスポット先発としてシーズンを通して重要な存在になり得る。
ラッシング同様、昇格時に高評価を受けていたフリ―ランドもメジャーでは打撃面で苦戦し、97打席で打率.190、OPS.601に終わった。2026年は球団4位のプロスペクトとして臨む。
2025年はキムの離脱に伴って昇格し、三塁17試合、二塁15試合とほぼ均等に守った。遊撃にはベッツがいるためポジション争いは厳しいが、スイッチヒッターで選球眼も良く、内野の複数ポジションを守れる点は大きな強みだ。開幕メンバーには入らない可能性はあるものの、ベンチ要員として、あるいはベッツが離脱した際の遊撃候補として重要な役割を果たす可能性がある。
