マリナーズとブルージェイズは、シーズンを通して、懐疑的な目を向けられることが多かった。その中でも自らのスタイルを貫き、進化を経てア・リーグ優勝決定シリーズ(ALCS=7回戦制)まで勝ち進んだ。そして、今どちらのチームがさらに歩みを進めることができるかが試されている。
「このチームは、反撃し、立て直し、レジリエンス(=困難から立ち直る力)を発揮することがDNAであると何度も証明してきた。明日はそれを再び示す機会だ」とマリナーズのダン・ウィルソン監督は、第3戦の大敗後(4-13)にコメントした。
その直後、同じ椅子に腰掛けたブルージェイズのジョン・シュナイダー監督も、ほとんど同じことを語っていた。シリーズ最初の2試合でわずか4得点、長打2本に抑え込まれていたブルージェイズは、第3戦で13得点、長打9本と大爆発。強烈なインパクトで簡単には終わらないことを示した。
「今季ずっと私たちがやってきたことだ。地区優勝を、そしてこの舞台に立つことを予想していた者はほとんどいなかった。選手たちはそれを胸に刻んでいる。今日の戦いぶりを心から誇りに思う」とシュナイダー監督は語った。
試合時間・視聴方法
- 10月16日午後8時33分(米国東部時間)/10月17日午前9時33分(日本時間)
- 放送:NHK BS、JSports 1、SpoTV Now(日本)
先発投手は?
ブルージェイズ:右腕マックス・シャーザー(5勝5敗、防御率5.19)
ブルージェイズ加入後初のポストシーズンでの先発となるが、41歳の右腕はこの大舞台を熟知している。ワールドシリーズを2度制覇したその経験を、トロントのファンはこれ以上ないほど必要としている。
シーズン終盤に大きく崩れたとはいえ、9月24日以降に実戦登板がないことはシャーザーにとって追い風。ここ数週間、実戦形式の登板で感覚を維持し、十分な調整期間によってコンディションを整えることができた。それが、7月から8月上旬のような、本来の姿を取り戻すきっかけになると、本人も球団も信じている。”マッドマックス”の真価が問われる。
マリナーズ:右腕ルイス・カスティーヨ(11勝8敗、防御率3.54)
先発登板は、10月5日(日本時間6日)のALDS第2戦タイガース戦以来だが、ALDS第5戦の15回に及ぶ激戦では最後の4アウトを任されており、そのためALCSの第1戦、第2戦には登板しなかった。また、カスティーヨは本拠地での成績が際立って良い(ポストシーズンを含む防御率2.45、ビジターでは4.71)ため、マリナーズはジョージ・カービーを極力本拠地のT-モバイルパーク以外で起用しない方針を貫いている。
スタメンは?
ブルージェイズ:
確かに第3戦でアンソニー・サンタンデールは無安打だったが、13得点を挙げた打線を変更したのは意外だ。代わって左翼はネイサン・ルークスが出場し、アディソン・バージャーは三塁から右翼へ回る。二塁はイサイア・カイナーファレファが出場し、アーニー・クレメントが三塁に入る。
- ジョージ・スプリンガー(DH)
- ネイサン・ルークス(右翼)
- ブラディミール・ゲレーロJr.(一塁)
- アレハンドロ・カーク(捕手)
- ドールトン・バーショ(中堅)
- アーニー・クレメント(三塁)
- アディソン・バージャー(右翼)
- アイザイア・カイナー=ファレファ(二塁)
- アンドレス・ヒメネス(遊撃)
マリナーズ:
ウィルソン監督は、今ポストシーズンで右投手相手に一貫して用いてきた並びをわずかに調整した。ドミニク・カンゾーネをDHから右翼へ回し、ビクター・ロブレスはベンチへ。二塁にはレオ・リバスが入り、ホルヘ・ポランコがDHを務める。
- ランディ・アロザレーナ(左翼)
- カル・ローリー(捕手)
- フリオ・ロドリゲス(中堅)
- ホルヘ・ポランコ(DH)
- ジョシュ・ネイラー(一塁)
- エウヘニオ・スアレス(三塁)
- ドミニク・キャンゾーン(右翼)
- J.P.・クロフォード(遊撃)
- レオ・リバス(二塁)
リリーフ投手陣の構成は?
ブルージェイズ:
第3戦ではルイス・バーランドを含む主要リリーバーの温存に成功したため、第4戦はシャーザーの後ろに、バーランドに加えてセランソニー・ドミンゲス、ジェフ・ホフマン、ブレンダン・リトルが控える。ロングリリーフ用員として、クリス・バシットとエリック・ラウアーも待機する。今ポストシーズンに出場している他球団と比べて、ブルペンは決して強みとは言えないが、ブルージェイズにとって最も重要な一戦に向けて、状態は良好だ。
マリナーズ:
第3戦は序盤から一方的な展開となったため、第2戦に続きアンドレス・ムニョス、マット・ブラッシュ、ゲイブ・スピアーの3本柱を温存した。第3戦ではエドゥアルド・バザルドも登板せず、カルロス・バルガス、ケイレブ・ファーガソン、ルーク・ジャクソンを敗戦処理で起用。ブルペンは可能な限りフレッシュな状態で第4戦に臨める。
主な負傷者情報は?
ブルージェイズ:
ボー・ビシェットは左膝捻挫からのリハビリ継続のため、ALCSのロースターから外れている。ワールドシリーズを目標に復帰を目指しており、その動向はトロントで日々話題となっている。生え抜きのビシェットにとって今季は契約最終年でもあり、モチベーションも期待もこれ以上ないほど高まっている。
サンタンデールは第2戦を背中の張りで直前回避したが、第3戦には出場。引き続き経過観察が必要だが、それ以外は総じて健康であり、ビシェットがプレーできるように、次のステージに進まなくてはならない。
マリナーズ:
好調・不調の選手は?
ブルージェイズ:
最初の2試合で眠りっぱなしだった打線が、一気に爆発した。ブラディミール・ゲレーロJr.は4打数4安打(うち1本塁打、2二塁打)を記録し、ジョージ・スプリンガー、アレハンドロ・カーク、アンドレス・ヒメネス、アディソン・バージャーにも本塁打が出た。アーニー・クレメントも静かに絶好調で、この日2安打(5打数2安打)でポストシーズン打率.462としている。
爆発か沈黙と極端な打線が、この日はどちらに転ぶのか。そんな打線でも、まだ波に乗れていないのがアンソニー・サンタンデールだ。数字以上に、打席内容は良くなっているが、そろそろ結果も欲しいところだ。
マリナーズ:
敵地トロントでの2戦で、計13-4と大差をつけ、悠々と本拠地に戻ってきたマリナーズだったが、第3戦だけで同じ得失点差をやり返された。その中でも気を吐いたのが、フリオ・ロドリゲスで、初回に2試合連続となる一発を放った。15日時点で打率.161だったランディ・アロザレーナも八回に本塁打を放ち復調の兆しを見せている。一方、ビクター・ロブレスは今ポストシーズン26打数3安打(打率.115)で、15日にはファウルゾーンでの捕球を試みた際にフェンスへ激しく衝突している。
他にファンが知っておきたいことは?
ブルージェイズ:
- 7戦4勝制シリーズにおいて、最初の2戦で敗れてから第3戦に勝利したチームが最終的にシリーズを制したのは53回中14回(26.4%)である。
- ジョージ・スプリンガーはMLBのポストシーズン通算本塁打でバーニー・ウィリアムズ(22本)に並び歴代4位タイとなった。上位はカイル・シュワーバー(23本)、ホセ・アルトゥーベ(27本)、マニー・ラミレス(29本)のみである。
マリナーズ:
- 15日に敗れたものの、過去のデータ上はマリナーズがいまだ有利。最初の2試合に勝利してから、第3戦を落としたチームが最終的に勝ち抜いたのは53回中39回(73.6%)である。
- 現行の2戦→移動日→3戦→移動日→2戦方式では、2勝0敗から本拠地での第3戦を落としたチームが11回中8回(72.7%)シリーズを制している。そこから逆転を許したのは、いずれもワールドシリーズでの1985年ロイヤルズ、1986年メッツ、1996年ヤンキースの3例のみである。
- トレード・デッドライン以降、本拠地での成績でマリナーズ(T-Mobileパークで38勝23敗、ALDSの2勝1敗を含む)を上回る球団は存在しない。


