建国250年を祝う節目のオールスター、ア・リーグが完封勝利

4:35 AM UTC

ア・リーグ4-0ナ・リーグ】フィラデルフィア/シチズンズバンクパーク、7月14日(日本時間15日)

アメリカを祝う一夜は、アメリカン・リーグにとっても祝福の一夜となった。

レギュラーシーズンではやや苦戦が続くア・リーグ勢だが、この日は異なる展開となった。第96回ミッドサマー・クラシックで、ナ・リーグに対して完封勝利。地元フィリーズのエース、クリストファー・サンチェスを序盤から攻め立てて早々に先制点を奪い、最後までリードを守りきった。

2026年オールスターは7月14日(日本時間15日)開催!

「(アウェイで)僕らには分が悪い状況だと思っていたよ」とブルージェイズの救援ルイ・ヴァーランドはジョークを交えて振り返る。「それでも、マウンドに上がって相手に立ち向かい圧倒することができた」

昨夏はスイングオフの末に敗れたものの、ア・リーグは直近29回のオールスターで23勝目となる。

「ただでさえ野球は一筋縄ではいかないスポーツなのに。投手たちがそれをさらに難しくしているんだ」とカブスの中堅手ピート・クロウ=アームストロングは語る。

米国建国250周年と、その誕生の地を祝うエキシビションで得点の中心となったのは、ヤンキースの2選手だった。そしてその一人、コディ・ベリンジャーがテッド・ウィリアムズ最優秀選手賞に輝いた。

「本当に特別だよ。メジャーに昇格した最初の3年では2回オールスターに来られたから、その時は『毎年ここに来るんだろうな』なんて思っていたんだ。でも、戻ってくるまでにずいぶん時間がかかった。ここは本当に厳しいリーグで、オールスターに選ばれるのは簡単じゃない。健康やパフォーマンス、すべてが噛み合わないといけないからね。だからこそ、今回は心から楽しめたよ」とベリンジャーは語った。

映画『ロッキー』の主人公の出身地で、美術館の外に銅像まで建てられている街で、ア・リーグは試合開始から主導権を握った。

ヨーダン・アルバレスの安打と、シェイ・ランゲリアーズ、ボビー・ウィットJr.の四球で満塁とすると、2死からヤンキース勢が華麗な活躍を見せた。

ベリンジャーが中堅へ鋭い2点適時打を放つと、続くチームメートのベン・ライスも二遊間を抜く適時打でさらに1点を加えた。前日のホームランダービーでカイル・シュワーバーが準優勝に終わり、悔しさを味わったフィラデルフィアのファンは、今度は本拠地で珍しく崩れるサンチェスを見ることになった。

「クリストファーにとって、この場所で先発として投げることは、非常に感情が高ぶるものだったと思う。やはり特別な先発マウンドだからね。いつものような鋭い制球力が発揮できなかったのも無理はないよ」とナ・リーグのデーブ・ロバーツ監督は語った。

Stats Perform(スタッツ・パフォーム)によると、オールスターゲームの1イニングに同じ球団の異なる2選手が打点を挙げたのは、レッズのジョー・モーガンとジョー・フォスター(1977年)以来で、ヤンキースが史上2球団目となった。

「サンチェスのような好投手相手に、良い打席がいくつもあったね。ボビーとシェイのフォアボールや、ヤンキースの選手たちのヒットもそうだ。イニングが長くなり、多くの選手を出場させることができて良かったよ」とア・リーグを率いるジョン・シュナイダー監督は振り返る。

ア・リーグは八回、今季台風の目となっているホワイトソックスのミゲル・バルガスが左翼2階席へソロ本塁打を放ち、追加点を挙げた。

一方、ナ・リーグはディラン・シース、パーカー・メシック、マイケル・ワカのア・リーグ投手陣を相手に、安打を一本も打てなかった。四回先頭でフアン・ソトがジョー・ライアンから出塁し、序盤から続いていたノーヒットノーランの可能性を断ったが得点は生まれず、最終的には計15奪三振を記録した。

「もちろん、簡単にできることではないよ。彼らの健闘を称えたい。それに、打者のテンポを早めてチェンジアップを活かせる状況を作ってくれた、多くの仲間たちに感謝しています」と、五回を三者凡退に抑えたレイズのニック・マルティネスは語った。

ア・リーグにとって順調な試合となった一方、三回にはアクシデントがあった。ライリー・オブライエンの97マイル(約156.1キロ)のシンカーが、ジュニオール・カミネロの左手を直撃。痛みでその場に崩れ落ち、X線検査を受けるために退いた。幸い検査結果は異常なしだったが、スターへの階段を駆け上がっている若きスラッガーにとっては悔しい球宴となった。

前夜とは異なり、この日は次々と本塁打が生まれる展開にはならなかった。それでもアメリカらしく、花火は用意されていた。五回開始前には、2001年ワールドシリーズでレイ・チャールズが披露した「アメリカ・ザ・ビューティフル」に合わせて花火が打ち上げられた。また試合前には、フィラデルフィア出身で「ソウルのゴッドマザー」と称されるパティ・ラベルが「星条旗」を独唱し、歴史に残るパフォーマンスとなった。

スター選手がかわるがわるグラウンドに足を踏み入れ、マイクをつけて放送席とやり取りを交わした。また、MLBがサポートを続ける「Stand Up To Cancer」(がんに立ち上がれ)をサポートするボーイズIIメンの「アイル・ビー・ゼア」がパフォーマンスを見せるなど、オールスターゲームはいつも通り、野球が私たちの人生に占める意味を再確認する時間となった。

盛大な誕生祝いは、大盛況で幕を閉じた。