ワールドシリーズが終了すれば、視線はすぐに2027年へ向かい、フリーエージェント(FA)市場も間もなく大きな話題となる。
MLB.comは今週、FA市場に出る予定の上位30選手を先取りして紹介する。
(以下、記載年齢は2027年シーズンの年齢。来季2027年6月30日時点の年齢を示す)
* 選手オプション(オプトアウト=契約破棄の権利)あり
**- 球団オプション(契約延長の権利)あり
1)タリク・スクーバル(30)、左腕
今オフのFA市場で文句なしのトップ。スクーバルは、投手のFA契約として史上最高額を更新する可能性が極めて高い。現在の最高額は、山本由伸(28)が2024年シーズン前にドジャースと結んだ12年3億2500万ドル(約512億円)の契約だ。
スクーバルは過去2年連続でア・リーグのサイ・ヤング賞を受賞。今季はシーズン序盤に左肘の手術を受け、6週間離脱したものの、タイガースとドジャースで計26先発、防御率2.72と再び好成績を残した。複数年契約で絶対的なエースを加えたい球団にとって、最優先の獲得候補となる。
2)マイケル・キング(32)、右腕*
2025年は右肩と左膝の負傷でシーズンの約半分を欠場。昨オフ、パドレスと3年7500万ドル(約118億1000万円)の契約を結んだ。この契約では、2026年シーズン終了後と2027年シーズン終了後に、それぞれオプトアウトしてFAになれる。
オプトアウトせず契約を最後まで全うした場合、2027年は2800万ドル(約44億1000万円)、2028年は3000万ドル(約47億2000万円)を受け取る。ただ、今季は健康を維持し、32先発で防御率3.21と好成績を残したため、500万ドル(約7億9000万円)のバイアウト(契約解除金)を受け取ってオプトアウトし、FA市場でより長期の契約を目指す可能性が高い。2024年に先発へ本格転向して以降、78試合(77先発)で防御率3.15を記録している。
* 選手オプション(オプトアウト=途中契約破棄の権利)あり
3)フレディ・ペラルタ(30)、右腕**
ペラルタのFA市場での評価は、メッツ移籍後に大きく落ち込んだ。メッツでは22先発で5勝9敗、防御率4.99。一方、シーズン途中のレイズへのトレードが転機となり、移籍後は10先発で防御率3.25を記録した。レギュラーシーズン最後の6登板では防御率0.79と圧巻の投球を続けた。
その好調をポストシーズンにも持ち込み、4登板(3先発)で防御率1.08。レイズのワールドシリーズ進出に貢献し、ア・リーグ優勝決定シリーズMVPにも選ばれた。
** 球団側に契約延長の選択権あり
4)佐藤輝明(28)、三塁手/外野手
2025年セ・リーグMVPに輝き、今季は打撃三冠を獲得した佐藤は、阪神タイガースがポスティングシステムによるメジャー移籍を認めた。日本から新たな強打者がメジャーへ挑戦することになる。佐藤は三振が多く、村上宗隆(26)と比較されることもあるが、空振りの多さを抱えながらも、村上はメジャー1年目にまずまずの成績を残した。長打力のある打者が少ない今オフの市場で、佐藤の潜在能力には大きな注目が集まりそうだ。
5)鈴木誠也(32)、外野手
鈴木は今季、カブスで143試合に出場し、bWAR5.1、fWAR4.6と、ともに自己最高を更新。26本塁打、86打点、OPS.841を記録した。WARは代替可能選手と比べた総合的な貢献度を示す指標でbWARはベースボール・リファレンス、fWARはファングラフスによる算出値。右翼守備ではOAA(平均的な野手と比べて何個アウトを増やしたかを示す指標)5で上位12%に入り、メジャーでも屈指の強肩を誇る。打撃に加えて守備でも高い価値を生み出している。外野手のFA市場が比較的手薄なため、4年または5年契約で好条件を得る可能性がある。
6)ランディ・アロザレーナ(32)、外野手
2026年のマリナーズは期待を下回るシーズンとなったが、アロザレーナは数少ない安定した戦力の1人だった。154試合でOPS.865を記録し、2年連続で25本塁打、25盗塁。ア・リーグの全打者でbWAR5.7、fWAR5.5はいずれもトップ10に入り、過去4年間で3度目となるオールスター選出も果たした。
2021年ア・リーグ新人王は、ポストシーズンでもキャリアを通じて好成績を残しており、45試合で12本塁打、OPS.945を記録している。
7)ブランドン・ロウ(32)、二塁手
ロウはピッツバーグ移籍1年目、パイレーツ打線の主力として安定した働きを続け、150試合で35本塁打、96打点、OPS.824を記録した。2度のオールスター選出歴を持つロウは二塁守備でも大きく向上し、OAA(平均的な野手と比べてどれだけアウトを増やしたかを示す指標)15でMLB上位2%に入った。
8)クレイ・ホームズ(34)、右腕*
* 2026年シーズン終了後、2027年分の契約を破棄してFAになれる権利あり
キングと同様、ホームズも2025年に先発へ転向して以降、新たな役割で成功している。昨季以降は51試合(49先発)で防御率3.44。今季はメッツとカブスで18先発、防御率3.29としたが、5月中旬に右脚を骨折し、約3カ月離脱した。
ホームズはトレードでカブスへ移籍したため、予想通り2027年の年俸1200万ドル(約18億9000万円)を放棄してFAになる場合でも、クオリファイング・オファー(FA選手の旧所属球団が提示する規定額の1年契約)の対象にはならない。
9)アドリアン・モレホン(28)、左腕
モレホンはFA市場でクローザーとして最も豊富な実績を持つ投手ではないが、直近3シーズンの成績は市場でもトップクラス。2024年以降は211登板で防御率2.58、WHIP1.088(1イニング当たりに許した安打と四球の合計を示す指標)をマークし、1イニング平均1個を超える三振を奪っている。
パドレスではメイソン・ミラー(28)につなぐセットアッパーを務めたが、リリーフ陣の補強を必要とする球団から九回を任せる候補として評価される可能性がある。一方、先発への転向候補と見る向きもある。
10)トレバー・ロジャース(29)、左腕
ロジャースは2025年、オリオールズで18先発、109回2/3を投げて防御率1.81と圧倒的だった。2026年は169回2/3で防御率4.03と成績を落としたが、6〜7月の9先発では防御率1.80と本来の力をのぞかせた。29歳で迎える来季、複数年契約で先発ローテーションを補強したい球団にとって魅力的な候補となりそうだ。
11)ジェイク・バウアーズ(31)、一塁手/外野手
30歳でブレークする打者は珍しいが、今季のバウアーズがまさにそうだった。ブルワーズ打線の中核を担い、2018〜25年は通算bWAR-1.2だった一方、2026年はbWAR3.3まで伸ばした。144試合、26本塁打、86打点、OPS.873、OPS+(球場補正などを加え、リーグ平均を100として打撃力を比較)140はいずれも自己最高。
三振率と空振り率はMLB下位20%だった一方、平均打球速度、バレル率、ハードヒット率(95マイル=153キロ以上の打球割合)、チェイス率(ストライクゾーン外の球を振った割合)、四球率はいずれもMLB上位10%に入った。
12)ルイス・アラエス(30)、二塁手
アラエスはFA市場初挑戦だった昨オフ、ジャイアンツと1年1200万ドル(約18億9000万円)の契約に落ち着いた。前年は打率.292、OPS.719と、いずれも自己最低に終わっていた。
今季は本来の打撃を取り戻し、ジャイアンツと、トレード期限にアラエスを獲得したフィリーズで計151試合に出場。打率.310、185安打、OPS.764だった。
守備でも大幅に向上し、二塁でOAA(平均的な野手と比べてどれだけアウトを増やしたかを示す指標)12。MLB上位3%に入った。
13)ライアン・ジェファーズ(30)、捕手
ジェファーズはシーズン序盤から好調で、最初の37試合で7本塁打、26打点、OPS.949。しかし、左手有鉤骨の骨折で約2カ月離脱し、勢いが止まった。トレード市場でも注目を集めたが、期限までに移籍は成立しなかった。復帰後は負傷前ほどの打撃を取り戻せず、55試合で7本塁打、30打点、OPS.727。正捕手候補が少ないFA市場だけに、多くの球団から関心を集めそうだ。
14)ソニー・グレイ(37)、右腕
グレイは2026年に素晴らしいシーズンを送った。29先発、169回で自己最多の18勝を挙げてア・リーグ最多勝に輝き、防御率2.72は新人だった2013年以来の自己ベスト。160回以上も4年連続となった。37歳という年齢から長期契約は難しいとみられるが、安定感のある先発投手として複数年契約は十分に考えられる。
15)ジャズ・チザムJr.(29)、二塁手
チザムは2025年に自身初の30本塁打、30盗塁を達成。今季は前年ほどの打撃成績ではなかったが、19本塁打、41盗塁をマークした。守備でもOAA15と高水準で、MLB上位2%に入った。
有力FAの中では数少ない20代の選手で、新契約を目指すうえで年齢は追い風となりそうだ。ヤンキースがチザムにクオリファイング・オファーを提示する可能性は低いとみられ、人的・ドラフト補償の負担がなくなれば、獲得を検討できる球団が増える可能性がある。
16)タイラー・マーリー(32)、右腕
マーリーは今季、ジャイアンツで18先発、3勝9敗、防御率5.13と苦戦したが、トレードでブレーブスへ移籍してから一変した。アトランタでは9先発で4勝1敗、防御率1.99。ポストシーズンも2先発、計13回1/3で自責点2、防御率1.35と好投した。今季149回は2021年以来の自己最多。先発補強を必要とする球団が多く、複数球団から関心を集めそうだ。
17)デービッド・ベッドナー(32)、右腕
ベッドナーはパイレーツで2022、23年と2年連続でオールスターに選出された後、2024年に成績を落とした。2025年に復調し、同年夏にヤンキースへ移籍。ピンストライプのユニホームで過ごした1年半で、再びメジャー屈指のクローザーとして評価を高めた。今季は35セーブ、防御率2.47。チェイス率、空振り率、奪三振率、被バレル率、ゴロ率はいずれもMLB上位20%に入った。
18)ニック・マルティネス(36)、右腕
マルティネスは31先発で15勝6敗、防御率3.10とキャリア最高のシーズンを送り、自身初のオールスター選出も果たした。三振は180回で109個と多くない一方、9イニングあたり1.3四球はリーグ最少だった。
2025年にレッズからのクオリファイング・オファーを受諾した後、今季はレイズと1年1300万ドル(約20億5000万円)の契約を結んだ。1年契約に賭けた選択は成功し、復活のシーズンを送ったことで、ワールドシリーズ第1戦の先発も任された。今オフはより好条件の契約が期待できるが、36歳という年齢を考えると、契約期間は2〜3年程度となる可能性が高い。
19)ケーシー・マイズ(30)、右腕
20)イアン・ハップ(32)、左翼手
ハップは近年、リーグでも屈指の安定感と耐久性を備えた選手となっている。過去6シーズンは平均22本塁打、75打点、OPS.770。2022年から2025年まで4年連続でゴールドグラブ賞を受賞し、今季の四球率もMLB上位11%に入った。一方、2026年は自己最多の189三振を喫しており、三振の多さは課題として残る。今季はOPS.738、OPS+103と数字をやや落としたものの、FA市場では幅広い需要が見込まれる。
21)グレイバー・トーレス(30)、二塁手
2025年にオールスターへ選出されたトーレスは、昨オフにクオリファイング・オファーを受諾したため、2年連続でFA市場に出る。2026年は脇腹の負傷で2度、負傷者リスト入りし、96試合の出場にとどまった。162試合制のシーズンで127試合未満となったキャリア初の年でもある。長打力も落ち、8本塁打、長打率.363。一方、出塁率.364は自己最高だった。
22)平良海馬(27)、右腕
身長5フィート8インチ(約173センチ)、体重210〜220ポンド(約95〜100キロ)の右腕、平良は、西武がポスティングシステムによるメジャー移籍を認める見込みだ。認められなければ、2027年シーズン終了後には制限なく移籍先を選べるFAとなる。
平良はキャリアを通じて先発とリリーフの両方を経験してきたが、2026年は146回で防御率1.36、WHIP1.000未満と圧倒的な成績を残した。メジャー各球団が先発、リリーフのどちらで評価するか注目されるが、威力のある速球を武器に好条件の契約を得る可能性がある。
23)フォスター・グリフィン(31)、左腕
日本の巨人で3年間プレーした後にメジャーへ戻ったグリフィンは、今季序盤の成功例の1人となり、ナショナルズで前半戦にオールスター級の活躍を続けた。22先発で防御率3.06でシーズン途中にガーディアンズへトレードされ、移籍後は9先発で防御率5.19だった。
奪三振率21.9%はリーグ平均程度だった一方、四球率6.2%はエリート級で、MLB上位12%に入った。
24)ケビン・ゴーズマン(36)、右腕
ゴーズマンは現役引退の可能性にも言及しているが、現役続行を選べば獲得を望む球団は複数ありそうだ。2021〜25年は158先発で防御率3.34と、メジャーでも屈指の安定感を誇った。2026年はブルージェイズとカブスで防御率4.51と数字を落とした。
2027年も投げ続ける決断をした場合、ブルージェイズへの復帰も選択肢となる可能性がある。
25)今永昇太(33)、左腕
今永は2024年にカブスへ加入して以来、先発陣の一角として安定した投球を続け、3シーズンで86先発、防御率3.45。2024年1月にカブスと4年5300万ドル(約83億5000万円)で契約し、昨オフに契約を途中で破棄してFAとなった後、クオリファイング・オファーを受諾して2026年も残留した。
今季は174回1/3で174三振と、ほぼ1イニングに1個のペースで三振を奪い、四球は37個。四球率5.2%はMLB上位5%に入った。メジャー通算492回1/3では、与四球91個に対して被本塁打93本と、本塁打を許した数が四球を与えた数を上回っている。
26)マイケル・ソロカ(29)、右腕
ソロカは21歳だった2019年、13勝4敗、防御率2.68でオールスターに選出される鮮烈な新人シーズンを送ったが、その後は当時の水準まで戻れていない。それでも2026年はダイヤモンドバックスで堅実なシーズンを送り、22登板(21先発)で9勝5敗、防御率3.41。新人年以来初めて100回を超えた。今オフ、キャリア初の複数年契約を手にしても不思議ではない。
27)タイ・フランス(32)、一塁手
フランスは昨オフの補強で最大級の成功例となった。パドレスと1年135万ドル(約2億1300万円)のマイナー契約を結び、65万ドル(約1億200万円)の出来高も全額達成した。
28)アレック・ボーム(30)、一塁手/三塁手
過去4シーズンのうち3度85打点以上を挙げたメジャーの右打者は7人だけで、ボームはその1人。7年間のキャリアを通じ、安定して打点を稼いできた。2026年は最初の35試合で打率.159、出塁率.227、長打率.206、1本塁打、15打点と苦しいスタートとなったが、5月9日以降のレギュラーシーズン最後の120試合では打率.274、出塁率.340、長打率.433、14本塁打、73打点まで巻き返し、フィリーズのポストシーズン進出に貢献した。
フィリーズ一筋でプレーしてきたボームが残留するかは不透明だが、一塁と三塁を守れる汎用性もあり、複数球団の獲得候補となりそうだ。
29)ライセル・イグレシアス(37)、右腕
アトランタで3シーズン以上を過ごしたイグレシアスは昨オフ、ブレーブスと再契約し、1年1600万ドル(約25億2000万円)で残留した。今季36歳だった右腕は防御率2.55、34セーブと好成績を残し、キャリア初のオールスターにも選出された。
速球の威力は全盛期ほどではないが、今も打者を抑える術を持っている。今オフも、どこかの球団でクローザーを任される可能性が高い。
30)ロビー・レイ(35)、左腕
レイは2021年11月にマリナーズと結んだ5年1億1500万ドル(約181億2000万円)の契約を満了した。この5年間ではマリナーズ、ジャイアンツ、パドレスの3球団に所属し、今夏はジャイアンツからパドレスへトレードされた。
2025年はジャイアンツでオールスターに選出。今季はサンディエゴ移籍前まで22試合(21先発)で防御率3.08だった。過去2シーズンは平均170回以上を投げており、新契約を目指す中で、そのイニング消化力を評価する球団は少なくないだろう。
