2試合で、わずか2点差。小さな差がとてつもなく大きな意味を持つワールドシリーズで、両チームの明暗が分かれている。
26日(日本時間27日)、トロピカーナフィールドで行われる第3戦を前に、ブルワーズは球団初の優勝まであと2勝に迫っている。第1、2戦の接戦をものにしたことで、心理面でも大きな優位を得ただろう。
一方、0勝2敗で本拠地へ戻るレイズは、ブルワーズを倒すのはもちろん、自分たちのミスを減らす必要がある。走塁で余計なアウトを与え、守備でもらしくないプレーを犯してきた。
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「ミルウォーキーを相手に余計なアウトを与えたら、必ずつけ込んでくる。そういうチームなんだ」と、レイズのスター、ジュニア・カミネロは話した。
レイズはミスをなくさなければ、4連敗で終わる危険があると分かっている。
ブルワーズは勝機を感じながら南へ向かう。トロピカーナフィールドに集まるブルワーズファンは、もちろんアメリカンファミリーフィールドほど多くない。それでも、歴史的な瞬間を見届けようと、多くのファンがタンパベイへ足を運ぶだろう。
ドジャースとのナ・リーグ優勝決定シリーズ(NLCS)第4戦でも、今回のワールドシリーズ第2戦でも、0-4から逆転した。このブルワーズらしい野球が、ついに栄冠をもたらすと信じる理由は、十分にある。
「試合が続いている限り、チャンスはある。全員がそう信じていると思う」と、第2戦の七回に決勝の適時打を放った新人遊撃手クーパー・プラットは話した。
「僕らは絶対に諦めない。イニングが残っていて、打席が回ってくる限り、まだチャンスがある。特に、この救援陣と、この仲間がいればね。本当に特別なチームだ」
ワールドシリーズで2勝0敗とした57チームのうち、46チーム(80.7%)が優勝している。7回戦制に限ると、55チーム中45チームが頂点に立った。
レイズは、そんな筋書きを覆そうとしている。ガーディアンズとのア・リーグ優勝決定シリーズ(ALCS)では、1勝2敗から3連勝で逆転した。両チームのスタイルと、第1、2戦の展開を考えれば、再び連勝を重ねる可能性は十分にある。
ただ、歴史を踏まえれば、巻き返すにはこの第3戦で勝利しなければならない。かつてブルワーズのエースだったフレディ・ペラルタが、勢いに乗る古巣を食い止める役割を担う。
2試合で2点差。それほど小さな差が、これほど大きく感じられる。レイズはここから、その差を少しずつ削っていかなければならない。
試合日時は?
第3戦は26日の米東部時間午後8時開始。日本時間は27日午前9時。
先発投手は?
レイズ:右腕フレディ・ペラルタ
注目の数字:8月26日以降の直近10登板(うち9先発)で7勝0敗、防御率0.89
ペラルタはアメリカンファミリーフィールドで古巣の仲間たちと対戦する機会を得られなかった。しかし、自身の投球で、シリーズをミルウォーキーに戻すことはできる。最近の好調ぶりは、ブルワーズの先発陣を長年けん引した「ファストボール・フレディ」そのものだ。
8月下旬にエース級の投球を取り戻し、それ以降は圧巻の投球を続けている。本人は、8月21日のオリオールズ戦での先発登板を転機に挙げている。
ペラルタは特に、レイズの本拠地で好投しており、トレード期限に加入して以降、トロピカーナフィールドでは7先発、37回1/3で防御率1.45、31奪三振、14四球を記録。チームは、ALCSで3度目の登板を終えたペラルタに、通常より少し長い休養を与えた。ブルワーズとの第3戦で、最高の投球を引き出す狙いだ。
ブルワーズ:左腕ロバート・ガッサー
注目の数字:レギュラーシーズンとポストシーズンを合わせ、8月26日以降の8登板で2勝0敗、防御率1.51
ガッサーは3Aナッシュビルで開幕を迎えたが、終盤の好投で、パドレスとのNLDS突破を決めた第4戦と、ドジャースとのNLCS第3戦の先発を任された。その快進撃は、8月26日にニューヨークのシティフィールドで始まった。ダスティン・メイが初球を打ち返された打球を受け、ガッサーが後を引き継いだ。そこで何かをつかみ、質の高いスイーパーと増していく自信を武器に、ジェイコブ・ミジオロウスキー、ヘンダーソンと並ぶ、若き先発陣の一角に入った。ここまでのポストシーズン2先発では、計9回で1失点に抑えている。
予想先発メンバーは?
レイズ:左腕ガッサーとの対戦では右打者をより多く先発に並べると考えられる。次のような打順になりそうだ。
1番 ヤンディ・ディアス、DH
2番 ジョナサン・アランダ、一塁
3番 ライアン・ビレード、右翼
4番 カミネロ、三塁
5番 チャンドラー・シンプソン、左翼
6番 ジョニー・デルーカ、中堅
7番 ベン・ウィリアムソン、二塁
8番 ニック・フォーテス、捕手
9番 テイラー・ウォールズ、遊撃
ブルワーズ:今ポストシーズンは、1番のジャクソン・チョーリオに続く上位打線を調整し、相性や好不調に応じて2~5番の各打順を入れ替えてきた。ただ、ワールドシリーズの最初の2試合は同じ先発メンバーで臨んだ。第1、2戦ではクリスチャン・イエリチが3番を務めており、よく知るペラルタと対戦する第3戦も同じと予想する。イエリチとペラルタは、ともに2018年にブルワーズへ加入。今年1月にペラルタがトレードされるまで、チームメートだった。
1番 チョーリオ、左翼
2番 ジェイク・バウアーズ、一塁
3番 イエリチ、DH
4番 ウィリアム・コントレラス、捕手
5番 ブライス・トゥラング、二塁
6番 ギャレット・ミッチェル、中堅
7番 プラット、遊撃
8番 フレリック、右翼
9番 デービッド・ハミルトン、三塁
救援陣の状態は?
レイズ:25日の休養日を挟み、救援陣は十分に休んで準備を整えているはずだ。抑えのベイカーを含め、全員が登板可能とみられる。タンパベイはベイカーを、セーブ機会や試合を締めくくる場面で、1回ずつ起用してきた。キャム・ブーザーが左の切り札となり、タイラー・ウェルズはセットアッパーとして複数イニングを投げられる。ケビン・ケリーは苦しい登板が続いているが、手ごわい右打者との対戦を任せることができる。
登板機会が少なかったスティーブン・マッツ、ギャレット・クレビンジャー、コール・サルサーらも第1戦で投げ、マッツは第2戦でも登板した。最大3連戦となる今回の本拠地での戦いでも、必要な場面で実戦間隔の影響を心配する必要はなさそうだ。焦点は、グリフィン・ジャックスを救援で使うか、第4戦の先発候補として温存するかとなる。
ブルワーズ:おなじみのパターンを繰り返すだけだ。第2戦でも、今ポストシーズン15回2/3無失点のアシュビーと、アブナー・ウリーベが大きな役割を担った。アシュビーが5アウトのセーブを挙げ、抑えのトレバー・メギルを休ませた。ブルワーズは、セーブが公式記録となった1969年以降、単一ポストシーズンで8セーブを記録した初のチームとなった。救援陣全体では、今ポストシーズンの最初の10試合で防御率1.24を記録している。
主な負傷者は?
レイズ:先発のシェーン・マクラナハンはポストシーズンで登板しないことが決まっているが、来春には準備が整う見通し。そのほかに新たな情報はない。
ブルワーズ:ワールドシリーズ開幕前に最大の不確定要素だったブランドン・ウッドラフの状況は、今も変わらない。登録メンバーに加わったものの、第1、2戦では登板しなかった。投げても体の状態を維持できるか。7月4日以来の登板で力を発揮できるか。2018年以来のブルペン待機となっている。
好調な選手と不調な選手は?
レイズ:第2戦の初回は上位打線が好調に見えたが、その後は全員が沈黙した。それでも、アランダ、シンプソン、カミネロ、リアム・ヒックスが立ち上がりに鋭い打撃を見せ、デルーカが2安打を記録した点は、好材料かもしれない。タンパベイ打線の重要な存在であるヒックスが、打撃で初めて脚光を浴びた。ビクター・メサJr.は今月、打率.162、OPS.487と苦しんでおり、ウィリアムソンも今ポストシーズンは12打数1安打にとどまっている。
ブルワーズ:チョーリオがさらに2安打、2盗塁を加え、23歳未満でポストシーズン1試合に複数安打と複数盗塁を記録した史上3人目の選手となった。1908年ワールドシリーズ第3戦のタイ・カッブ、2010年ALCS第2戦のエルビス・アンドラスに続く快挙だ。……コントレラスは2安打を加えて今ポストシーズン15安打とし、全選手のトップに立った。ウィリアムのOPS1.135を上回る選手は、兄のウィルソン・コントレラスとヤンキースのベン・ライスの2人だけ。ただ、ウィルソンの出場が2試合に対し、ウィリアムは10試合に出場している。
そのほかに知っておきたい情報は?
- トロピカーナフィールドでのワールドシリーズ開催は、2008年10月23日の第2戦以来となる。その試合は、タンパベイの球団史上初のワールドシリーズでの勝利でもあった。2008年のシリーズは本拠地に戻らずフィラデルフィアで決着し、2020年はアーリントンのグローブライフフィールドで行われた。
- レイズは、第3~5戦の試合前イベントの詳細をまだ発表していない。2008年と2020年のア・リーグ優勝チームなど、球団史を振り返る名場面が中心になるとみられる。
- 第2戦でウリーベが勝利投手となり、ブルワーズが今ポストシーズンに挙げた9勝のうち8勝が救援投手に記録された。単一ポストシーズンでの救援投手の勝利数として、2015年のロイヤルズに並ぶ最多記録となった。


