ブルワーズが最後にワールドシリーズへ進出してから44年。あと1勝まで迫った。
ブルワーズはナ・リーグ優勝決定シリーズで3勝0敗と圧倒的にリードし、15日(日本時間16日)の第4戦を迎える。ただ、ドジャースは敗退が決まるまで王者だ。過去2シーズンも数々の逆境を乗り越え、ワールドシリーズ制覇を成し遂げてきた。
ただし、今回ほど厳しい状況は経験していない。7回戦制のポストシーズンシリーズで3勝0敗としたチームは過去42度のうち41度、98%の確率でシリーズを制している。そのうち32度は4連勝で決着した。0勝3敗から第7戦まで持ち込んだチームも過去2チームだけで、4連勝で逆転した唯一の例が、ヤンキースと対戦した2004年のア・リーグ優勝決定シリーズでのレッドソックスだ。
当時の歴史的逆転を経験したドジャースのデーブ・ロバーツ監督(54)は、可能性を信じている。
「(4連勝での逆転は)もちろん可能です。私自身が経験していますし、今の選手たちも厳しい戦いを何度も乗り越えてきました。次は負ければ敗退の試合です。私たちはこれまでにも、そういう試合を何度も戦ってきました。まず1勝するだけです」
ドジャースが球史に残る3連覇を目指す一方、ブルワーズも15日(同16日)の第4戦に勝てば新たな歴史を刻める。昨季は同じナ・リーグ優勝決定シリーズでドジャースに4連敗。今季4連勝で決着をつければ、前年のポストシーズンでスイープされた相手を翌年のポストシーズンでスイープする史上初のチームとなる。
それでも、ブルワーズに油断はない。
「まだ何も成し遂げていません。やるべき仕事は終わっていません。だから、同じ気持ちで臨まなければいけません。勝つ。それだけです」
ジャクソン・チューリオ(22)は通訳を介して決意を示した。
MLBの最新ニュースを見逃さない!
- 【毎週日本時間金曜配信】日本語版ニュースレターに登録
- 【自分のスタイルでMLBを楽しむ】日本語公式アプリをダウンロード
- 【2026年より開設!】MLB Japan公式Youtubeチャンネル
第4戦について知っておきたい情報を紹介する。
試合日時と視聴方法は?
第4戦は15日(同16日)、ドジャースタジアムで米西時間午後5時(同16日午前9時)開始予定。米国ではFS1が全米中継する。
日本ではNHK BS、J SPORTS 3で中継予定。SPOTV NOW、Lemino、ML.TVでもライブ配信予定。
先発投手
ブルワーズ:左腕シェーン・ドローハン(27)
注目データ:ブルワーズ投手陣は今ポストシーズン、防御率1.74。出場12球団で最も好成績。
ブルワーズは、第4戦を実質的なブルペンゲームとして戦う中で、登板間隔が十分に空いた複数の候補からドローハンを先発に選んだ。
シーズン途中に加入した元ドジャースのダスティン・メイ(29)も、ドローハン降板後の候補となる。2020年にはドジャースでワールドシリーズ制覇を経験。優勝決定シリーズ第2戦で1回を投げたが、第4戦先発に照準を合わせていれば、当日は本来ブルペンで調整するタイミングだった。
ドローハンは今季33試合(19先発)で防御率4.19。シーズン終盤に投球回の上限へ近づいたためリリーフへ回り、救援登板では防御率1.47と好投した。第4戦が自身初のポストシーズン登板となる。
ドジャース:右腕タイラー・グラスノー(33)
注目データ:キャリアで「負ければ敗退」の3試合に登板し、防御率3.60
グラスノーが登板したポストシーズンの7試合でドジャースが全勝している記録には偶然の要素もあるが、右腕自身も好成績で支えてきた。先発4試合、リリーフ3試合で計26回を投げ、自責点5、防御率1.73と好投している。
直近の登板となったブレーブスとの地区シリーズ第4戦では制球に苦しみ、5四球。それでも4回2/3を1失点に抑えた。
予想スタメン
ブルワーズ: 第2戦で右腕・山本由伸(28)と対戦した際、ブルワーズは以下の打線を組み、5選手が複数安打を放った。ポストシーズンで5選手が複数安打を放った試合は、球団史上2度目だった。
- ジャクソン・チューリオ(22)、左翼
- ブライス・トゥラング(26)、二塁
- ウィリアム・コントレラス(28)、捕手
- ジェイク・バウアーズ(31)、一塁
- クリスチャン・イェリッチ(34)、DH
- ギャレット・ミッチェル(28)、中堅
- クーパー・プラット(22)、遊撃
- サル・フレリック(26)、右翼
- デービッド・ハミルトン(29)、三塁
ドジャース: ドジャースは、右上腕二頭筋と左膝に問題を抱える大谷翔平(32)を引き続き起用し、負ければ敗退となる第4戦では1番へ戻す。大谷と、第4戦で4番に入る打撃不振のウィル・スミス(31)はここ2試合で打順を下げられていた。それでも第3戦では両者がチーム唯一の得点につながった攻撃に貢献。この内容も、ロバーツ監督が第4戦で2人の打順を上げる判断につながったとみられる。
- 大谷翔平(32)、DH
- ムーキー・ベッツ(34)、遊撃
- フレディ・フリーマン(37)、一塁
- ウィル・スミス(31)、捕手
- カイル・タッカー(29)、右翼
- テオスカー・ヘルナンデス(34)、左翼
- ミゲル・ロハス(37)、二塁
- アンディ・パヘス(25)、中堅
- キケ・ヘルナンデス(35)、三塁
先発降板後のブルペン起用
ブルワーズ: 今ポストシーズン最初の7試合すべてに登板してきた右腕セットアッパー、アブナー・ウリーベ(26)は第3戦でやや苦しみ、六回に3四球を与えた後、スミスに2点二塁打を浴びた。それでも左腕DL・ホール(28)が後続を断ち、7つのアウトを奪って流れを食い止めた。続くトレバー・メギル(32)は4アウトセーブを挙げた。両投手とも負担が大きかったため、第4戦が接戦となれば、左腕アーロン・アシュビー(28)が重要な役割を担いそうだ。
ドジャース: 総力戦となる。第3戦で最後の1回2/3を投げ、32球を要したジャスティン・ロブレスキー(26)は登板を回避する可能性がある。ロバーツ監督は、このシリーズでドジャースのリリーフ陣で唯一まだ登板していないクローザー、エドウィン・ディアス(32)を第4戦で起用する意向を明言している。
注目すべき負傷者
ブルワーズ: なし。
ドジャース: 大谷(右上腕二頭筋、左膝)とフリーマン(右膝)は、負傷を抱えながらプレーを続けている。昨季のワールドシリーズ制覇に貢献したウィル・クライン(26)は打者相手の投球練習を行っているが、実戦登板は7月31日が最後で、現状では緊急時に備える控えの選択肢とみられている。
右肩の炎症を抱えるブレーク・トライネン(38)は、今ポストシーズン中の登板が難しい見通しだ。
好調、不調の選手
ブルワーズ: チューリオの今ポストシーズンOPS.642という数字だけでは、その存在感を十分に表せない。第3戦の先頭打者本塁打は今ポストシーズン2本目、通算6本目。ウィリアム・コントレラス(28)と並んでいたブルワーズのポストシーズン通算本塁打で単独最多に立った。
ポストシーズンでの先頭打者本塁打は通算3本となり、殿堂入りのデレク・ジーター(52)、ジミー・ロリンズ(47)、大谷と並ぶ歴代2位タイ。最多はカイル・シュワーバー(33)の5本だ。さらに通算18打点とし、23歳の誕生日を迎える前のポストシーズン通算打点で、殿堂入りのアンドルー・ジョーンズ(49)を抜いて歴代最多となった。
コントレラスは八回の安打で今ポストシーズン10安打に到達し、ブルワーズで今季のポストシーズン初の10安打到達者となった。
ドジャース: タッカーはここまで7試合で打率.304と安定した打撃を続け、低調なドジャース打線で数少ない好調な打者となっている。第3戦では大谷が113.5マイル(約183キロ)の単打、スミスが2点二塁打を放ち、復調の兆しもあった。それでも両者は今ポストシーズン、ドジャース打線で特に不振が目立つ。
そのほか、ファンが知っておきたい情報
• 試合前セレモニーでは、オーレル・ハーシュハイザー(68)とマイク・ソーシア(67)が始球式を務め、「It's time for Dodger baseball!(さあ、ドジャース野球の時間です!)」とコールする。
• 記録会社エライアス・スポーツ・ビューローによると、前年のポストシーズンで一方がスイープしたカードが翌年のポストシーズンで再び実現するケースは今回で8度目。前年にスイープされ、翌年の再戦で勝利した唯一のチームは1923年のヤンキースで同年のワールドシリーズでニューヨーク・ジャイアンツに4勝2敗で勝利した。
• ブルワーズのオーナー、マーク・アタナシオ(69)は、球団が最後にワールドシリーズへ進出してから44年という数字に特別な意味を感じたという。「44」は、殿堂入りした故ハンク・アーロン(享年86歳)の永久欠番でもある。今季は、アーロンがブルワーズでプレーした1976年に通算755本目となる現役最後の本塁打を放ってから50周年。
• 7回戦制のシリーズで、前年のワールドシリーズ王者が0勝3敗となったケースは今回で6度目。過去5度のうち4度は、1990年ワールドシリーズのレッズ対アスレチックス、1966年ワールドシリーズのオリオールズ対ドジャース、1963年ワールドシリーズのドジャース対ヤンキース、1914年ワールドシリーズのボストン・ブレーブス対フィラデルフィア・アスレチックスで、いずれも4連勝で決着した。残る1度は2017年のナ・リーグ優勝決定シリーズ、ドジャース対カブスで、ドジャースが4勝1敗でシリーズを制した。


