強豪2チームによるポストシーズンの再戦。メジャーで最も好調なチームが、敵地で同地区のライバルと激突。そして、美しい景観を誇る特別な球場で対戦するプレーオフ候補の2チーム。
今週もメジャー各地で注目カードが数多く組まれている。8月10日(日本時間11日)からの1週間で見逃せない5つのシリーズを紹介する。
*レッドソックス対ブルージェイズ
**4試合(10~13日)*
今季の対戦成績
ブルージェイズが6勝3敗で勝ち越している。4月下旬にロジャースセンターで行われた3連戦を2勝1敗で終えると、6月中旬にはフェンウェイパークで3連戦をスイープした。ただし、いずれもレッドソックスが調子を上げる前の対戦だった。ボストンはその後、球団記録に並ぶ15連勝を達成。その連勝が止まった直後の7月下旬には、本拠地でブルージェイズとの3連戦に2勝1敗で勝ち越した。両チームが今季対戦するのは、今回が最後となる。
注目点
メジャーで最も好調なチームは、敵地で行われる昨季のア・リーグ王者との同地区4連戦でも勢いを維持できるか。ブルージェイズは、2025年ほどの強さを見せられていないが、レッドソックスとの相性は良く、直近では敵地でアストロズ、フィリーズとのシリーズに続けて勝ち越している。ただし、アスレチックスに8日、9日と連敗するまで再び大型連勝を続けていたボストンを止めるには、それだけでは不十分かもしれない。
**注目選手
**セダン・ラファエラが絶好調だ。レッドソックスの中堅手は、ロサンゼルスでドジャースとの3連戦をスイープした際に4本塁打を放ち、その後も打ち続けている。7月1日以降は打率.295、OPS.845、直近10試合では46打数15安打、打率.326を記録。今季は16盗塁に加え、ゴールドグラブ賞級の外野守備も披露し、ア・リーグの野手で4位となる5.1のbWARを積み上げている。しかも、レッドソックス打線で絶好調なのはラファエラだけではない。
マリナーズ対ヤンキース
3試合(11~13日)
今季の対戦成績
両チームが最後に対戦したのは、開幕第1週にT-モバイルパークで行われた3連戦。3月30日のシリーズ初戦では、カル・ローリーが九回にサヨナラ打を放ったが、続く2試合はヤンキースが制してシリーズを勝ち越した。
注目点
どちらかのチームが地区優勝へ前進することができるだろうか。8日(日本時間9日)時点で、両チームとも地区首位を射程圏内に捉えている。マリナーズはア・リーグ西地区でアストロズとレンジャーズを追い、ヤンキースは東地区首位のレイズと5.5ゲーム差につけている。一方、ヤンキースはア・リーグのワイルドカード首位に立ち、マリナーズを含むプレーオフ圏外の混戦グループには大きな差をつけている。今後を左右する可能性のある重要なシリーズで、どちらかが順位を大きく上げるかもしれない。
**注目選手
**ジョージ・ロンバードJr.から目が離せない。ヤンキースのトッププロスペクトは、4日に昇格してメジャーデビューを果たして以来、強烈な印象を残している。メジャー最初の5試合で打率.294、OPS 1.047をマークし、デビュー戦と8日のブレーブス戦で本塁打を記録。MLBパイプラインの全体プロスペクト20位が、重要なポジションですぐさま大きな存在感を示している。
フィリーズ対ツインズ
3試合(13、15、16日)
今季の対戦成績
両チームがレギュラーシーズンで対戦するのは、今回のシリーズのみ。前回は2025年のレギュラーシーズン最終カードで、フィリーズがホームでの3連戦に2勝1敗で勝ち越した。
注目点
13日のシリーズ初戦は、アイオワ州ダイアーズビルにあるフィールド・オブ・ドリームス(英語特設サイト)で行われる。この地でメジャーの公式戦が開催されるのは、2022年のカブス対レッズ戦以来。名作映画の舞台となった球場は改修を終え、ポストシーズン進出を争う2チームを迎える。フィリーズはナ・リーグのワイルドカード2枠目で並び、ツインズはプレーオフ圏内まで1.5ゲーム差につけている。14日は試合がなく、シリーズは15日にターゲット・フィールドで再開される。
注目選手
トレード期限の大型取引でジャイアンツから加入したフィリーズの二塁手ルイス・アラエスが、勢いを必要としていた打線に活力をもたらしている。加入後最初の5試合で3度のマルチ安打を記録し、4番も任されている。2013年にベネズエラからアラエスを獲得し、2018年のメジャーデビューまで育てた古巣ツインズとのシリーズでも、大きな活躍を見せる可能性がある。
ブルワーズ対ドジャース
4試合(13~16日)
今季の対戦成績
5月下旬にアメリカンファミリーフィールドで対戦した際は、ブルワーズがシリーズ初戦に勝利したものの、その後は2連敗を喫した。ブルワーズに対するドジャースの優位は続いている。ロサンゼルスは2025年のナ・リーグ優勝決定シリーズでブルワーズをスイープし、そのままワールドシリーズ制覇を果たした。
注目点
ブルワーズは、自分たちがメジャー最高のチームであることを証明できるだろうか。74勝44敗でメジャー最高成績を残しているが、過去にはドジャースを相手に何度も敗れている。また、トレード期限には、ブルワーズも獲得を目指していた左腕タリク・スクーバルを加えたロサンゼルスほどの大型補強は行わなかった。本当の意味での勝負は、両チームが再びポストシーズンで対戦した場合に訪れる。それでも、ドジャースタジアムでの4連戦に勝ち越せれば、過小評価されがちなミルウォーキーにとって大きな意味を持つだろう。
注目選手
両チームのエースたちの投げ合いに期待がかかる。10日のロイヤルズ戦で新ホームでの初登板を迎えるスクーバルは、16日のシリーズ最終戦でブルワーズと対戦する見込みだ。4日にリグレーフィールドで迎えたドジャース移籍後初登板では、カブスを相手に6回2失点、8奪三振で敗戦投手となった。一方、ミルウォーキーのジェイコブ・ミジオロウスキーは9日のツインズ戦に登板し、今季メジャーで最初に200奪三振へ到達した投手となった。現時点では15日に先発する予定だ。両エースが投げ合う可能性は低いものの、どちらもマウンドに上がるたびに見逃せない存在であることに変わりはない。
ダイヤモンドバックス対ブレーブス
3試合(14~16日)
今季の対戦成績
ナ・リーグの優勝を争う両チームが対戦するのは久しぶりとなる。4月上旬にフェニックスのチェイスフィールドで行われた4連戦では、ブレーブスが初戦に17-2で大勝し、続く試合にも2-0で完封勝利。しかし、ダイヤモンドバックスがその後、2-1で勝利し、最終戦では延長10回の末に6-5でサヨナラ勝ちを収め、シリーズを2勝2敗の五分に戻した。
注目点
アリゾナは、今季のポストシーズンで再び波乱を巻き起こせるだろうか。ダイヤモンドバックスは、2023年を最後にプレーオフから遠ざかっている。同年はブルワーズ、ドジャース、フィリーズを次々と破ってワールドシリーズへ進出したが、レンジャーズに1勝4敗で敗れた。今季は63勝56敗でフィリーズと並び、ナ・リーグのワイルドカード2枠目につけている。オールスターブレイク後は14勝9敗、勝率.609と安定した戦いを続け、ナ・リーグ西地区で2位。プレーオフ争いでは同地区のパドレスをわずかにリードしており、難しいアトランタ遠征を乗り越えれば、さらに前進することができる。
注目選手
ロナルド・アクーニャJr.は、6月9日に今季2度目となる左ハムストリングの肉離れを負ったが、7月下旬に負傷者リストから復帰した。8月は8試合でOPS.904、4本塁打を記録し、直近4試合では3本塁打を放っている。アクーニャの復帰は、その直後に8連勝を飾ったブレーブスに大きな勢いをもたらした。常に一発を期待できる打者だ。
