2026年のワールドシリーズで、ブルワーズとレイズが対戦する。球界屈指の強さと知略を誇る2チームによる顔合わせだが、両球団ともワールドシリーズの優勝経験はない。
ブルワーズはレギュラーシーズンで球団記録の103勝を挙げ、メジャー最多勝を記録した。ナ・リーグ地区シリーズ(NLDS)でパドレスに勝利すると、連覇中のドジャースにもナ・リーグ優勝決定シリーズ(NLCS)で4連勝。1982年以来のワールドシリーズ出場を決めた。
一方のレイズは、ア・リーグ最多の97勝を挙げた。ア・リーグ地区シリーズ(ALDS)でヤンキースに3連勝し、ア・リーグ優勝決定シリーズ(ALCS)ではガーディアンズとのシリーズに6試合で勝利した。ワールドシリーズ出場は2020年以来、球団史上3度目となる。
両チームを巡る話題は尽きない。23日(日本時間24日)にミルウォーキーで開幕するワールドシリーズを展望しよう。
本拠地開催の優位を持つチームは?
球団記録の103勝でレギュラーシーズンのメジャー最多勝を挙げたブルワーズが、本拠地開催の優位を持つ。
最初の2試合は、10月23日と24日にミルウォーキーのアメリカンファミリーフィールドで行われる。その後はセントピーターズバーグへ舞台を移し、第3戦が10月26日、第4戦が27日、必要になった場合、第5戦が28日に行われる。
両チームのワールドシリーズでの戦績は?
1998年にMLBに参入したレイズは、2008年と2020年の2度、ワールドシリーズへ進んだが、いずれも優勝には届かなかった。最初はフィリーズに5試合で敗れ、2度目はドジャースに6試合で敗れた。
ブルワーズも初優勝を目指すが、ここまで世界一に近づくには、レイズよりはるかに長い時間が必要だった。リーグを制したのは、今年で2度目。最初は44年前の1982年に、ア・リーグで獲得した。その後のワールドシリーズでは、カージナルスと7試合を戦って敗れた。
両チームの直接対決の成績は?
通算28試合の対戦で、ブルワーズが15勝を挙げている。今季も開幕最初の週、3月30日から4月1日にミルウォーキーで3連戦を行い、ブルワーズが2勝1敗だった。
現在の両チームには、どんな縁があるか。
代表例はドリュー・ラスムセンだ。レイズのエースは2017年のドラフトでタンパベイから全体31位指名を受けたが、オレゴン州立大学へ戻る道を選んだ。2017年9月に2度目のトミー・ジョン手術を受け、2018年は全休。それでもブルワーズが、2018年のドラフト6巡目で指名した。2020年にブルワーズでメジャーデビューした後、遊撃手ウィリー・アダメズとの交換トレードでタンパベイへ移った。
ALCSのMVP、フレディ・ペラルタもいる。2018〜2025年にブルワーズで球界屈指の先発投手へ成長し、在籍した8シーズンで70勝42敗、防御率3.59、1153奪三振を記録。2024年にメッツと対戦したナ・リーグワイルドカードシリーズ、2025年にカブスと対戦した地区シリーズでは、ともにブルワーズの第1戦に先発した。昨オフにメッツへトレードされ、今年のトレード期限にはレイズへ移った。
NLCSのMVPに輝き、打者として飛躍を遂げたジェイク・バウアーズも、有望株として高い期待を背負ってレイズでキャリアを始めた。その後は複数球団を渡り歩き、この3シーズンはブルワーズに定着。ナ・リーグ優勝で重要な役割を果たした。
両球団のつながりは、グラウンド外の人材にも及ぶ。現在ブルワーズのGM兼編成本部長を務めるマット・アーノルドは、レイズのフロントで9シーズンを過ごした後、現職に就いた。
両球団でプレーした名選手は?
ラスムセン、ペラルタ、アダメズは、間違いなく上位に入る。Baseball Referenceによる通算WARでは、両球団でプレーした現役選手の中で、アダメズの26.9が最多だ。
歴代の両球団在籍選手を比べると、おそらくグレッグ・ボーンが最高だろう。1989〜2003年にメジャーで15シーズンを過ごし、通算WAR30.8、355本塁打を記録。オールスターには4度選ばれた。1989〜1996年のブルワーズ在籍中に2度選出され、1996年のトレード期限にパドレスへ移籍。最後のオールスター出場は、レイズ時代の2001年だった。
マット・ガーザも印象に残る選手の一人だ。2008〜2010年にレイズで活躍し、2008年のALCSではMVPに輝いた。メジャーでの最後の4シーズン、2014〜2017年はブルワーズで過ごした。
この対戦の鍵は?
1.レイズはブルワーズの総合力を封じられるか。
ブルワーズはレギュラーシーズンでメジャー最多の103勝を挙げた。NLDSでは球界で最も勢いがあったパドレスとのシリーズに4試合で勝利し、NLCSでは連覇中のドジャースに4連勝した。打力があり、守備は最高水準。球界最高の先発ジェイコブ・ミジオロウスキーと鉄壁のブルペンも擁するブルワーズに、弱点はほとんどない。
もちろん、レイズも非常に強い。ア・リーグ最多の98勝を挙げ、ワールドシリーズへ進んだだけの理由がある。ただ、あらゆる面で全開の力を発揮しているブルワーズに、勝たなければならない。
2.試合を優位に運ぶのはどちらか。
ブルワーズとレイズは、球界屈指の知略を誇る組織だと広く知られている。優秀なフロントとコーチ陣、データ分析とスカウティングの全面的な活用、そしてその成果を現場で生かす力によって、毎年のように予想を大きく上回る成績を残している。The Athleticのイーノ・サリスは最近、両球団の躍進を支える「マネーボール的な優位性(有料記事・英語)」を詳しく取り上げた。
間違いなく球団史上でも特に重要な試合となるため、試合を優位に運ぶために、継投、試合間での球種の調整、左右の相性を踏まえた選手起用など、両球団は様々な手を尽くすだろう。ともに初のワールドシリーズ優勝を懸けて戦うだけに、その判断と結果は、通常のワールドシリーズ以上に重い意味を持つ。
3.ブルワーズは本塁打攻勢を続けられるか。
多くの強みがあるブルワーズだが、少なくともレギュラーシーズンでは、本塁打はその中に含まれていなかった。154本塁打はメジャーワースト2位タイだった。しかし、ポストシーズンでは7試合で10本塁打を放っている。現在のプレーオフの低得点傾向を考えれば、大きな変化だ。各チームの1試合平均得点は、レギュラーシーズンの4.48に対し、ポストシーズンでは3.5となっている。
ここまでのポストシーズンで、ブルワーズの6選手が本塁打を放った。ウィリアム・コントレラスが3本、ギャレット・ミッチェルとジャクソン・チョーリオが各2本、ジェイク・バウアーズ、ブライス・トゥラング、デービッド・ハミルトンが各1本。この勢いが続けば、ブルワーズにとって、シリーズでの新たな強みになるかもしれない。

