NLDS第2戦、各チームの勝負のポイントは?

October 6th, 2025

10月5日(日本時間6日)は、ア・リーグ地区シリーズの第2戦が行われた一方で、ナ・リーグは休養日となったため、いささか物足りなさを感じたファンもいただろう。しかし、6日はア・リーグの移動日。もしナ・リーグも5日に試合をしていたら、6日の試合がなくなってしまう。

ナ・リーグ地区シリーズ(NLDS)は、ブルワーズの圧勝ドジャースの逆転勝利で幕を明けた。両チームが勢いを継続するのか、カブスとフィリーズがシリーズを1勝1敗に持ち込むのか。以下で、それぞれの試合の見どころを紹介する。

NLDS第2戦:ドジャース vs. フィリーズ(LAD:1勝0敗、日本時間:10月7日午前7時08分)

先発:ブレイク・スネル(LAD) vs. ヘスス・ルサルド(PHI)

ドジャース:ウィル・スミスは第2戦でどんな役割を果たすのか?

第1戦でスミスが途中出場し、捕手として5イニング、プレーしたことに驚いた人も多かっただろう。ドジャースはワイルドカードシリーズ(WCS)を経て、オールスター捕手が完全復活することを期待していた。

万全ではなかったとはいえ、3打席に立ち、守備でも5イニングを守り切った。5日の休養日を挟んで、第2戦ではスタメンでの出場も期待されたが、6日午後に発表されたラインナップにその名前はなく、ベン・ロートベットが捕手としてスタメンに名を連ねた。

大谷翔平がいることの唯一のデメリット(かなり強いて言えば)は、DHが固定されてしまう点にある。つまり、スミスのように打撃力はあるが、ケガなどの理由で守備を9イニング任せられない選手を起用することができない。結果として、数値上チームで2番目に優れた打者をスタメンから外さざるを得なくなる。

加えて、この日のフィリーズの先発は左腕ルザルド。初戦でも、左腕サンチェスに苦戦したように、右の強打者のスミスを起用できないのはドジャースにとって痛手だ。第2戦同様、代打として途中から出場し、存在感を示すことができるだろうか。

フィリーズ:スネルを攻略できるか? そして、それで十分か?

NLDSの初戦を迎えるまで、大谷は直近19回2/3でわずか1失点という驚異的な成績を残していた。そんな二刀流のスターに対して、フィリーズは二回に一挙3得点。本拠地で、理想的なスタートを切った。しかし、結果は3-5で逆転負け。過去のポストシーズンの悪夢を思い起こさせるように、成長したはずのブルペンが崩れた

次の相手は、直近26イニングでわずか3失点のブレイク・スネル。現在のドジャースで最も長いイニングを投げられる投手だ。休養日を挟んだことで、ドジャースブルペンは万全の状態にある。

さらに厄介なのは、左投手に強いハリソン・ベイダーを左鼠蹊部(そけいぶ、足の付け根)の負傷で欠くことだ。ベイダーは、通算OPSが対左投手の方が右投手よりも70ポイントも高く、左打者が多いフィリーズにとっては貴重な存在。

何より、仮にスネルを攻略したとしても、今のブルペンがリードを守り切ることができるか?攻守において、チームの力が試される。

NLDS第2戦:カブス vs. ブルワーズ(MIL:1勝0敗、日本時間:10月7日、午前10時08分)

先発:今永翔太(CHC) vs. アーロン・アシュビー(MIL)

ブルワーズ:ジャクソン・チューリオの状態はどうか?

大勝した第1戦で3打数3安打3打点で打線を牽引したチューリオだったが、途中で右太もも裏の張りを訴え交代。本人は「前回同じ箇所を痛めた時と比べれば、かなり良い状態」と語った一方で、パット・マーフィー監督は「正直怖い。最悪の事態も考えられる」と不安を口にした。

5日に行われたMRI検査では、明確な結果は出なかった。わずか21歳ながら、8月の月間OPSは負傷するまで1.000とその才能は疑う余地がない。好不調の波があることは事実だが、初戦の様子を見る限り、今はまさに好調の大波が来ていた。その矢先の負傷は本人もチームも悔やまれる。

第2戦の出場は危ぶまれたが、発表されたスタメンには「1番・レフト」で若き主砲の名前が刻まれていた。リスクは低いという判断が下されたのだろう。決して長打力が売りではないチームにおいて、一発の可能性を持つチューリオは不可欠。この先の戦いまで考えると、彼を失う訳にはいかない。

カブス:休養日を生かせるか?

NLDS初戦は、カブスが準備を整えている間に終わってしまったかのようだった。

パドレスとの厳しいWCSを終えたばかりで、先発のやりくりがうまくいかず、中3日でマシュー・ボイドを起用するしかなかった。案の定というべきか、望んでいた結果は得られなかった。

だからこそ、第1戦と第2戦目の間の休養日は大きな意味を持つ。投手陣全員がしっかりと休養をとることができた。万全の状態となった今永が、第2戦にオープナーなしで先発する見込みだ。

さらに、ポストシーズン直前に負傷から復帰したばかりのカイル・タッカーにとっても、この休養日はプラスに働くだろう。

ブルワーズは、レギュラーシーズンをMLBトップの勝率で終えたが、8月31日以降は勝率5割を下回っている。良くも悪くも勢いの影響を受けやすいチームであるため、第1戦のように、勢いに乗っている時は手がつけられない。

休養日はそのリズムを崩すきっかけにもなりうる。第2戦でカブスが勝利すれば、1勝1敗のタイで、シカゴへと戦いの舞台を移す。シリーズの流れを、この第2戦が握っている。