9人の新監督、それぞれの最大の課題

November 25th, 2025

今オフに空いていた9チームの監督の席はすべて埋まった。そのうち9人中6人はメジャーで初めて監督を務め、1970年代以降最年少の監督や、プロ経験なしで大学監督から直接メジャー監督に就任した初のケースも含まれる。

以下に、9人の新監督と2026年以降の最大の課題をまとめる。(採用順)

レンジャーズ:スキップ・シューマッカー

経緯:
レンジャーズは2022年シーズン後、引退していたボーチーを招聘し、2023年にワールドシリーズ制覇。しかし、その後の2シーズンはポストシーズンに届かず、2025年は81勝81敗でワイルドカードにも6ゲーム差。結果としてチームとボーチーは契約終了に合意した。

後任探しは順調に進み、昨年11月に球団フロントでシニアアドバイザーを務めていたシューマッカーが監督に就任。マーリンズで2年間監督を務め、2023年にはナ・リーグ年間最優秀監督賞を受賞経験がある。

最大の課題:
2023年の優勝シーズンは破壊力のあった打線も、2024年以降は得点がリーグ21位、OPSは27位に低迷。マーカス・セミエン(トレード)、アドリス・ガルシア(契約非更新)、ジョナ・ハイム(契約非更新)がチームを去り、2023年のプレーオフ出場時の先発野手9人のうち6人がすでに不在となった。

エンゼルス:カート・スズキ

経緯:
エンゼルス監督として2023年は63勝99敗に終わったロン・ワシントン監督は、2024年に健康上の理由で6月20日に監督職を離れ、1週間後にはシーズン全体の医療休暇に入り、6月30日に心臓のバイパス手術を受けた。モンゴメリーがベンチコーチから暫定監督に昇格したが、チームは36勝52敗でシーズンを終え、10年連続で勝率5割未満となった。エンゼルスは9月30日、ワシントンの2026年オプションを行使せず、モンゴメリーとも契約を終了した。

監督候補としてアルバート・プホルスやトリ・ハンターも検討したが、最終的にチームOBで元捕手のカート・スズキが監督に任命された。

最大の課題:
エンゼルスはプレーオフ未出場期間をMLB最長の11シーズン記録しており、最高年俸選手マイク・トラウトも年齢を重ねている。また近年、球団は監督に対してあまり忍耐強くない。スズキはマイク・ソーシア監督(2018年退任)以降、暫定監督を除き5人目の正監督で、契約期間はわずか1年だ。

ジャイアンツ:トニー・ビテロ

経緯:
ジャイアンツは7月にメルビン監督の2026年クラブオプションを行使したものの、2年連続でプレーオフ進出なしに終わったために解任。球団代表バスター・ポージーは、2018年からテネシー大学のヘッドコーチを務め、プロ指導経験のない47歳のビテロを採用する、前例のない判断を下した

最大の課題:
ビテロはテネシー大学を全国的強豪に育てたが、メジャーリーグとは全く別物。ドジャースは過去13年で12度地区優勝、直近2年でWS制覇。パドレスも直近4年で3度プレーオフ進出、ダイヤモンドバックスは2023年WS進出と、ア・リーグ西地区はメジャー屈指の競争が厳しい地区だ。ジャイアンツはラファエル・デバース、マット・チャップマン、ウィリー・アダメス、李政厚(イ・ジョンフ)といった新戦力を加えて戦力を強化したものの、ビテロは2017年以降、勝率5割を超えたのが1度だけのチームを率いるという大きな課題を抱えている。

オリオールズ:クレイグ・アルバーナス

経緯:
2025年シーズンの開幕15勝28敗の成績を受け、チーム再建を進め、2023年と2024年にプレーオフ進出を果たしたハイド監督を解任。2021年から三塁コーチを務めていたマンソリーノが暫定監督として残りのシーズンを指揮し、チームを60勝59敗に導いた。しかしオリオールズはマンソリーノに代わり、ガーディアンズでアソシエイト・マネージャーを務めていたアルバーナスを新監督に迎えることを決めた

最大の課題:
アルバーナスは潜在能力の高いロースターを受け継ぐ。オフに投手陣の問題が解決されればさらに強化できる。しかし、チームの中核である捕手アドリー・ラッチマンや二塁手ジャクソン・ホリデイ(ともに2019年、2022年の全体1位ドラフト指名)などに関しては不安が残る。ラッチマンはキャリア序盤は好調だったものの、ここ2年で大きく成績を落としている。ホリデイもまだ期待通りの活躍はできていない。

ツインズ:デレック・シェルトン

経緯:
プレーオフ進出を期待されていたが、最終的には70勝に終わり、トレード期限前には主力選手の放出も行われ、7シーズン指揮を執ったバルデリ監督は解任された。

後任のシェルトンは、2018年にポール・モリター、2019年にはバルデリの下でベンチコーチを務めた後、パイレーツでメジャー監督に就任しており、ツインズにはなじみ深い。2020年から今季序盤までパイレーツを指揮したが、今季は開幕12勝26敗で解任された。パイレーツでの通算成績は306勝440敗だった。

最大の課題:
ツインズはトレード期限前に多くの有力選手を放出しており、今オフもさらに売却が行われる可能性がある。先発のパブロ・ロペスやジョー・ライアンも対象となる可能性がある。さらに、センターのバイロン・バクストンの去就も不透明だ。バクストンはトレード拒否条項を持っており、夏の時点では現役終了までツインズに残る意向を示していたが、チームが再建の方針を続ける場合には考えを変える可能性もあると伝えられている。

ナショナルズ:ブレイク・ビュテラ

経緯:
ナショナルズは2019年のワールドシリーズ制覇以降、6年連続で負け越しシーズンが続いており、7月6日にマルチネス監督と元ゼネラルマネジャー兼野球部門社長のマイク・リッツォが退団。暫定監督としてカイロが指揮し、29勝43敗という成績だった。

10月1日、新野球部門社長になった35歳のポール・トボーニは、33歳のビュテラを新監督に任命。ビュテラは直近ではレイズの選手育成シニアディレクターを務めていた。

最大の課題:
ビュテラは1972年のフランク・クイリッチ以来の若さでのメジャー監督となるが、有望な若手もいる一方で穴だらけのロースターを率いることになる。2025年にWAR(ファングラフス版)で1.4を超えたのは、ジェームズ・ウッド、CJ・エイブラムス、マッケンジー・ゴアのみであり、ゴアは今オフにトレードされる可能性もある。

ブレーブス:ウォルト・ワイス

経緯:
前任のスニッカー監督は2025年シーズン終了後、2026年以降の契約延長を望まないことをブレーブスに伝えた。スニッカー監督時代、球団は2018年から2024年まで7年連続でプレーオフに進出(うち6回は地区優勝)し、2021年にはワールドシリーズ制覇も果たしている。しかし2025年は後退し、76勝86敗に終わった。

ブレーブスは内部昇格で監督を決定。ワイスは2013年から2016年までロッキーズを指揮した後、8年間ベンチコーチを務めていた。

最大の課題:
ワイスは1990年にボビー・コックスがGMから監督に転身して以来、ブレーブスの4人目の監督であり、スニッカーの後任として期待に応える必要がある。スニッカーはブレーブスで大きな成功を収め、組織内で慕われている存在だ。ワイスには、2023年に104勝したチームの多くの選手を引き継ぐ利点があるが、過去2シーズンにわたり多くの負傷問題にも直面している。

パドレス:クレイグ・スタメン

経緯:
パドレスは10月13日、契約が2年間残っているシルト監督の電撃退任を発表した。シルト監督は2年間で183勝141敗を記録し、両シーズンともポストシーズンに進出したが、2024年のナ・リーグ地区シリーズでドジャースに敗れ、2025年のナ・リーグ・ワイルドカードシリーズでカブスに敗れた。

パドレスは何人かの候補者からスタメンの起用を決定。元MLBリリーフ投手で、2017年から2022年までパドレスでプレーし、右肩のカプセル断裂により2023年シーズン中に引退。しかしすぐにメジャーコーチングスタッフと野球運営部門のアシスタントとして採用されていた。

最大の課題:
ビテロと同様、ナ・リーグ西地区での監督業は容易ではない。確かにパドレスは過去4年のうち3回ワイルドカードでポストシーズンに進出しているが、スタメンが引き継ぐチームは、33歳シーズンを迎えるマニー・マチャド、ザンダー・ボガーツ、ニック・ピベッタの3選手に大きく依存することになり、先発投手陣の問題も多く抱えている。

ロッキーズ:ウォーレン・シェーファー

経緯:
シーズン序盤を7勝33敗という、MLB史上でも最悪クラスのスタートで迎えた後、ロッキーズは9年間チームを率いたベテラン監督ブライアン・ブラックとの契約を終了。元三塁コーチのシェーファーが暫定監督に就任し、残り122試合で36勝86敗の成績を記録した。ビル・シュミットGMの辞任後、ロッキーズは11月7日、野球とアメリカンフットボールの経営に携わったポール・デポデスタを新しい野球部門トップに招聘。11月24日にシェーファーの監督任命を発表した

最大の課題:
コロラドで持続可能な勝てるチームを築くことは、フランチャイズの歴史を通して困難であることが証明されている。33シーズンで、ポストシーズン進出はわずか5度。いずれもワイルドカードとしての出場である。また、1993年の創設以来、勝率はMLBで3番目に低い.456を記録している。最近の状況は特に厳しく、2018年の最後のプレーオフ進出以降、7年連続で負け越し、2025年にはフランチャイズ史上最多の119敗を記録した。