ワイルドカードシリーズ第2戦、各試合の見所と展望

ドジャース・山本が先発、カブス・今永は二回から登板か

October 1st, 2025

さすがはポストシーズン。開幕から、ハイレベルな攻防や手に汗握る瞬間が数多く見られた。しかし、落ち着いている場合ではない。あす、10月1日(日本時間2日)には、早くも第2戦が行われる。

しかも、次戦は4チームが突破をかけて、つまり4チームが敗退をかけて戦う。レギュラーシーズン162試合の成果が、あすの一戦にかかっている。今日以上に緊張感のある試合になるだろう。

それでは、各試合のプレビューと主要な注目点を見ていこう。

ガーディアンズ vs タイガース(DET 1勝0敗)

日本時間:10月2日 午前2時08分

先発予定:ケイシー・マイズ(DET)vs タナー・バイビー(CLE)

ガーディアンズ打線に火がつくか?

コラムニストのジョー・シーハン氏が指摘したように、今季のガーディアンズはポストシーズン出場チーム史上最低の出塁率(.296)を記録している。過去最低は1968年カージナルスの.298だったが、当時は今ほど出塁率が重視されておらず、翌年には投手優位を抑えるためにマウンドが低くされた。

もちろん、この日の相手先発がタリク・スクーバルだったことは考慮する必要がある。だが、外野に飛んだ打球がわずか4本(そのうち1本はアウトになったポップフライ)というのは、あまりにも物足りない。

少なくともスクーバルと再戦することはないが、2戦目の先発マイズも9月は好調で決して簡単な相手ではない。シーズン途中に15.5ゲーム差から逆転し地区優勝を勝ち取った快進撃も、このままスイープされればただの”歴史的な余談”になってしまう。

突破には打線の奮起が不可欠。3度目の30盗塁ー30本塁打を達成したホセ・ラミレスを中心に、終盤戦の勢いを取り戻したい。

カブス vs パドレス (CHC 1勝0敗)

日本時間:10月2日 午前4時08分

先発予定:アンドリュー・キットリッジ(CHC・オープナー)vs ディラン・シース(SD)

カブスは継投策を続けられるか?

さすがに、そろそろパドレス打線が爆発する頃合いではないだろうか。最後の24イニングで無得点に終わった、昨年のドジャースとのナ・リーグの地区シリーズを引きずるかのように、初戦も打線は沈黙。4安打(長打は1本のみ)、1得点でカブスに敗れた。

しかも、フェルナンド・タティスJr.、ザンダー・ボガーツ、マニー・マチャド、ルイス・アライズ、ジャクソン・メリルというオールスター経験者たちが、合計18打数3安打。彼らの奮起なしに、ワイルドカードシリーズ(WCS)突破はあり得ない。

一方のカブスは、先発マシュー・ボイドの後を4人のリリーフでつなぎ、1人の走者も許さない完璧な無失点リレー。打線は鈴木誠也の5試合連続アーチもあり、見事に初戦を制した。第2戦はキットリッジがオープナーを務め、二回以降は今永昇太が登板する見込みだ。もっとも今永は直近の登板で8失点を喫しているため、再び早めの継投を選択する可能性もある。それでも中継ぎの駒が豊富であることは変わらない。

ただし、ポストシーズンでの直近33イニングでわずか1得点に終わるようなパドレス打線ではない(はず)。第2戦で目を覚まさなければ、来年の春までこの悔しさを抱えることになる。

ヤンキース vs レッドソックス(BOS 1勝0敗)

日本時間:10月2日 午前7時08分

先発予定: カルロス・ロドン(NYY)vs ブライアン・ベヨ(BOS)

ロドンは9回まで投げ切る必要があるのか?

もちろん実際にロドンが完投する可能性は低い。彼がキャリアで完投したのはわずか3度のみで、最後は2022年だ。なお、ポストシーズンでの最後の完投は2017年のジャスティン・バーランダーまでさかのぼる。だが、ヤンキースファンが「完投してほしい」と願うのも無理はない。チーム最大の弱点はシーズンを通じてブルペンであり、トレード期限後も改善されなかった。

第1戦も同様だった。マックス・フリードが6回1/3を1失点で降板すると、ブルペンはすぐにリードを失った。唯一信頼を寄せられるデービッド・ベッドナーですら失点したのだから事態は深刻だ。

一方で、今季5戦で全敗した、ギャレット・クローシェをもう相手にすることはない。MLBトップの得点力を誇るヤンキース打線は、ブルペン事情を考えれば「点を取れるだけ取る」姿勢が不可欠だろう。「とりすぎ」という概念は存在しない。

ドジャース vs レッズ(LAD 1勝0敗)

日本時間:10月2日 午前10時08分

先発予定:山本由伸(LAD)vs. ザック・リッテル(CIN)

ドジャースはブルペンをどう立て直すのか?

第1戦の序盤、ドジャースは連覇にこれ以上ないほど相応しいチームに見えた。ブレイク・スネルは圧巻で、テオスカー・ヘルナンデスと大谷翔平がそれぞれ2本塁打。特に大谷の一発で、レッズファンは「これは本当にプレーオフなのか?」と目を疑っただろう。七回終了時点で10-2と大差がついていた。

しかし問題はレギュラーシーズン同様、ブルペンだった。八回にはアレックス・ベシア、エドガルド・へンリケスら3人の救援が制球難に苦しみ、4四球、3失点。会場は一気に不穏な空気に包まれた。

ドジャースがナ・リーグの勝率首位を逃した理由の1つがこの不安定な救援陣だ。もっとも、レギュラーシーズンと違うのは、普段は先発として起用されることの多い、タイラー・グラスナウ、佐々木朗希、エメット・シーアンの3人が待機していること。デーブ・ロバーツ監督がこの3人を救援で起用する可能性も高い。

第2戦の先発は山本。プレッシャーのかかる中で力強い投球が期待されるが、最大の注目は彼が降板した後に集まるだろう。