2025年のMLBも、多くの記憶に残るプレーと伝説的な瞬間を生み出した。歴史的なポストシーズンから個々の卓越したパフォーマンスまで、このシーズンのハイライトは長く語り継がれるだろう。
今回は、「Capital One年間プレー集」を1位から10位まで紹介した後、20位から100位まではまとめて紹介する。
1. ドジャースがWS連覇
壮絶なワールドシリーズ(WS)第7戦を制し、ドジャースが2年連続の世界一に輝いた。5-4と1点リードの中迎えた延長11回、1死一、三塁のピンチを中0日登板の山本由伸が抑え、試合を締めくくった。
2. WS第7戦、ウィル・スミスの勝ち越しアーチ
WS最終戦は名場面の連続だったが、中でも延長11回に生まれたウィル・スミスの勝ち越し本塁打は最も重要な一打となった。実際、この本塁打はMLB史上でも優勝確率を大きく動かした一打のひとつで、その直後、ドジャースは連覇を達成した。
3. NLCSでの歴史的二刀流“ショータイム”
ブルワーズとのナ・リーグ優勝決定シリーズ(NLCS)第4戦での大谷翔平のパフォーマンスは、選手個人にとって、史上最高の試合だったと言っても過言ではない。二刀流としての支配力を発揮し、打者としては446フィート(約136メートル)、469フィート(約143メートル)、427フィート(約130メートル)の3本塁打を放ち、投手としては6回無失点、10三振。伝説的な活躍で、NLCSのMVPを受賞した。
4. 新人王カーツの1試合4本塁打
満票でア・リーグ新人王となったニック・カーツは、7月25日のアストロズ戦で歴史的な活躍。6打数6安打、4本塁打という圧巻の内容。1試合4本塁打を記録した史上初の新人となった。ルーキーイヤーながら117試合で36本塁打、OPS1.002という驚異的な成績を残した。
5. フリーマンの延長18回サヨナラ弾
フレディ・フリーマンがワールドシリーズのヒーローになるのは、もはや定番になりつつある。2024年の第1戦で満塁サヨナラ弾を放った翌年、2025年の第3戦では18回におよぶ死闘の末、日付が変わる直前にサヨナラ本塁打を放ち、試合を決めた。フリーマンはワールドシリーズで複数のサヨナラ本塁打を記録した史上初の選手となった。
6. ロハスの同点“サプライズ”本塁打
ワールドシリーズ第7戦の九回に同点本塁打を放つ選手として、ミゲル・ロハスほど意外な存在はいなかっただろう。ジェフ・ホフマンの球を左翼席へ運び、試合を振り出しに戻した。10月はほぼ出場していなかったロハスの活躍は、ドジャースが総力戦で王者になったことを象徴している。
7. クラークのスパイダーマンキャッチ
アスレチックスの外野手デンゼル・クラークは2025年、毎週のように守備でハイライトを作っていた。中でも6月10日のアナハイムでのノーラン・シャニュエルの打球を捕ったプレーは圧巻。完璧なタイミングでフェンスを駆け上がり、体の半分をフェンスの外へ出してホームランを捕球した。
8. 「ビッグ・ダンパー」の60号
マリナーズの捕手カル・ローリーにとって、今季は歴史的な1年となった。FanGraphs(ファングラフス)によれば、60本塁打、OPS.948、WAR9.1という驚異的な成績を残し、9月24日の試合で59号と60号を放ち、MLB史上7人目のシーズン60本塁打を達成した。ほとんどの試合に捕手として出場しながら、打席でも圧巻の活躍を見せ、ローリーはア・リーグMVP投票でアーロン・ジャッジに次ぐ2位となった。
9. バーショのスーパーキャッチ
4月29日のレッドソックス戦で、ドールトン・バーショは信じがたいキャッチを見せた。センターでの総合力の高い守備で知られるバーショだが、この時はジャレン・デュランの大きな打球を追う途中に自分の足につまずいた。それでもすぐに立ち上がり、倒れながらも捕球に成功。これには本人でさえ驚いたという。
10. シュワーバーの1試合4本塁打
カイル・シュワーバーは球界屈指のパワーヒッターだ。だからこそ、8月28日に史上21人目、2025年シーズンでは3人目となる1試合4本塁打という偉業を達成しても、さほど驚きはなかった。八回には5本目のチャンスさえあったが、高々と上がった打球はインフィールドフライでアウトとなった。
11〜20:ワールドシリーズ第七戦のさらなる名場面
すでに述べたように、今季のWS第7戦では忘れがたい名場面が数多く生まれた。その一つが九回、アンディ・パヘスが左翼手キケ・ヘルナンデスに衝突しながらも捕球し、試合を延長へ持ち込んだプレー(11位)である。また、第6戦ではキケがライナー性の打球をキャッチし、そのまま二塁へ送球しアウトを奪うダブルプレー(18位)も生まれた。
21〜30:サヨナラランニングホームラン弾とホームランキャッチ集
7月8日、ジャイアンツのパトリック・ベイリーがフィリーズ戦でサヨナラ3点ランニングホームラン(21位)を放った。これは極めて珍しく、2016年以来となるサヨナラのランニングホームランとなった。さらに9月には、ラモン・ローレアーノ(9月3日/23位)、ノエルビ・マルテ(9月25日/24位)、セダン・ラファエラ(9月6日/29位)らが相次いで華麗なホームランキャッチを見せた。
31〜40:マクマホン、手すり越しの好捕
ヤンキースとレッドソックスの「勝てば突破、負ければ敗退」のワイルドカードシリーズ第3戦で、ヤンキースの三塁手ライアン・マクマホンが三塁側ベンチの手すり越しに身を投げ出し、レッドソックスのダグアウトへ転げ落ちながら驚異的なキャッチを見せた(32位)。またこの中には大谷自身が昨年記録したドジャースのシーズン最多本塁打(54本)を更新する、今季55号(39位)も含まれる。
41〜50:ローリー、50本塁打到達
ローリーが歴史的な60本塁打に到達する前、8月25日に早くも50本塁打に乗せた(44位)。当時は驚異的だったが、「ビッグ・ダンパー」の歴史はまだ始まったばかりだった。また5月23日には、ロナルド・アクーニャ Jr.が約1年の負傷離脱を経て復帰初打席で本塁打を放った(47位)。
51〜60:レジェンドの最後のアウト、エースの圧巻投球
2025年ワールドシリーズ第3戦で、2025年限りで引退したクレイトン・カーショウがMLB最後の1球を投じ、延長12回を締めた(51位)。その数カ月前には、タイガースのエース、タリック・スクーバルが5月25日のガーディアンズ戦で13奪三振を記録し、マダックス(100球未満完投勝利)を達成する圧巻の投球を見せた(59位)。
61〜70:外野手の卓越した守備の数々
ここでは、ホームランキャッチ、ダイビングキャッチ、レーザービーム送球など、外野手の素晴らしい守備が数多く登場する。その中で最も印象に残ったのは、5月14日にウィルアー・アブレイユとラファエラが見せた連係プレー(70位)だ。デトロイトのコメリカ・パーク右中間の壁に飛びついて本塁打を阻止しようとしたアブレイユのグラブから球がこぼれ、フィールド内に戻ってきた打球を待ち構えていたラファエラが見事にキャッチした。
71〜80:スター選手たちの節目の瞬間
ここでは、球界を代表するスターたちの節目の瞬間が多く含まれている。9月16日に大谷翔平が記録したシーズン50号(73位)、6月20日にエウヘニオ・スアレスが達成した通算300本塁打(75位)、8月10日のジャスティン・バーランダーの通算3500奪三振(78位)、そして9月24日にアーロン・ジャッジが放った50号(80位)など。
81〜90:球団史を塗り替えた“ポーラーベア”アロンソ
8月12日、ピート・アロンソが通算253号と254号を放ち、ダリル・ストロベリーの持つメッツの球団最多本塁打記録(252本)を更新した(90位)。アロンソはMLBキャリアわずか7年でこの偉業を達成した。他には4月2日に大谷が放ったサヨナラ本塁打(85位)、そして5月19日にカイル・シュワーバーが記録した通算300号(87位)も含まれている。
91〜100:サヨナラ満塁弾の競演
最後の10プレーに共通するテーマは「サヨナラ満塁弾」だ。5月3日、マーリンズのカイル・ストワーズが当時アスレチックスの守護神メイソン・ミラーの時速101.7マイル(約164キロ)の速球を叩き、サヨナラ満塁本塁打を放った(91位)。さらに5月27日には、クリスチャン・イェリッチがレッドソックス戦でキャリア初となるサヨナラ本塁打を満塁弾で記録した(97位)。
